第五次継承権戦争−−−

 “銀河中心領域”の派遣をめぐって行われたこの戦争は、意外なかたちで終幕を迎えた−−−

 惑星コウベの火山灰から出土した“ダークネスデバイス”。

 これを手にしたマクシミリアン・リャオは弱小リャオ軍の起死回生をかけ、多元宇宙からのバトルメック召喚という夢にかけた。

 それは−−−“中心領域”と“氏族”の戦いすらも越えるおそるべき変動を銀河にもたらすことになったのである−−−

 スーパーロボット大戦Ω for TRPG
        −時の果てる地−


「だめだ、アージェ隊長! とんでもねえ数のカノーネ・オルケスタが来るぜ! 空が三分で奏甲が七分! 敵が多すぎてレーダーが見えない!」
「現世騎士団の連中、どっからそんなに歌姫を集めてきやがったんだ? 中心領域にはオレが知らないだけで女人国でもあるのか? どう思う、アージェ?」
「シグニア、キロール! 無駄口を叩かない!」
 対空迎撃メック“ライフルマン”が敵をいち早く察知した。
 その報告を受けてライラ共和国の傭兵、美しいポーランド系ドイツ移民の少女、アージェンタ・アショリーカは愛機“フェニックス・ホーク”のひどく暑いコクピットでうんざりした顔をする。コクピットを開けて汗ばんだ胸元に風を入れたかったが、さしあたりそんな余裕はなかった。
「アリアス! 友軍に救援を要請! チャフとフレア、急いで!」
「ダメだよ、アージェ! 島中から支援要請がひっきりなし! とてもこっちの援護の余裕はないって!」
「やってくれるわね、“ディアボロス”春日恭二……」

 * * *

「もろいものだな、バトルメック部隊というのも。装甲と火力は大したものだが、通信と戦術はまるで素人ではないか。騎士道とやらにこだわれば、こうもなるか……ン……?」
 チェーザレ・プロヴィノ大佐の駆るモナドトルーパー、“ビクトリア・ブリューナク”と配下のMT部隊は、島の北部半島をほぼ制圧しつつあった。
「た、大佐ァ!?」
 その時だった。チェーザレのすぐ脇で“ローカスト”や“ハンチバック”を追い散らしていた砲撃型MT“ミロルド”が重装甲ごと爆散した。周囲の機体も、それに続く。
「バカな、なんだこのフレアの流れは!? 強大なカオスフレアが、私の前にたちはだかろうというのか!? ここがオリジンでないなら、ありえんことだ!」
 敵意に向かって、無線攻撃端末ブリューナクが飛ぶ。小さなコーン状をしたそのロケット群は、彼のフレアに従って、ビームの雨を降らせた。
 稜線の向こうに、緑色をした光のピラミッドが形成された。
 その壁はチェーザレの火線をはじき、視界を火花で染めた。
「おそいな!」
 白く、巨大な影が躍り出た。
 二本の角、真紅のユニコーンのエンブレム、その右手には赤熱の剣、左手には純白の盾。
「シャアじゃないな……ニュータイプのまがいものか? いずれにせよ、そうも邪気を放っていれば、自分の姿を敵にさらしているようなものだと何故わからない!」
 純白のロボットが、ビーム・サーベルを振り下ろした。
「ダークネスデバイスの価値のわからぬストームナイトごときが、カオスフレアである私に意見をする……気に入らないな!」
 その斬撃を、ビクトリアは右手の袖から繰り出したレーザーサーベルで切り払う。
 おそろしい手練れだった。
「言葉は抑制して使うものだ! 口にした傲慢は実行に移され、世界を破壊するとなんでわからない!」
「世界のことわりもわからぬ愚物が、よくも吼えた!」
 ビームがぶつかり、ハレーションが空を紅く染める。

 * * *

「敵の狙いは“無敵22号”ですかね?」
 日下部天馬は塹壕の影で、砲撃の音に震えていた。ゴトウ陸将が対悪魔用に作り出したこの強化装甲服“ヤクトアーマー”がなければ、とうに挽肉になっていたことだろう。
「だろうな。シャヘルのシャードからエネルギーをもらってあれを起動するって話だが……」
 ヤクトアーマーより一回り大きい戦闘ロボット“RF-232C イナズマイザー”に乗る豪雷陣太郎の声は優しかった。子供である自分を、大人の軍人である彼は勇気づけようとしてくれているのだとわかって、天馬は嬉しかった。
「それで、ハイロードに勝てると思いますか?」
 砲撃が近づいてきた。
(金剛さんたち、生きてるかな……)
 天馬は敵の手に落ちた仲間たちのことを思ったが、今はそれ以上のことができるわけでもなかった。

 * * *

「次っ、方位023、仰角003! 陽霊子砲、全対天使ミサイルロックオン! なにぼやぼやしてるのよ、神楽! ほんとうにあなたって……」
「わかってるよトゥアレタ!」
 ごめん、と心の中でつぶやいて、神楽・ガイストは陽霊子砲の火線と対天使ミサイルの炎で、襲い来る可変空戦ロボット“JE チェイサー”を焼きつくした。
「ねえ、神楽くん。今ためらわなかった?」
「……人が、乗ってるからね」
「バカッ!」
 巨大な胸を揺らして、トゥアレタは戦闘中だというのに身を乗り出し、前席の相棒を叱咤した。
「ダークネスデバイスがもう一度ハイロードの手に渡ったら、こんどこそなにもかもおしまいなのよ!? 多元宇宙の京とか劾とか、そういう数の人が死ぬのよ!?」
「わかってる、わかってるよトゥアレタ」
 そう、委員長はいつも正しい。これはやらなければならないことなのだ。
「ッッ!?」
 先進波にも似たギアドライバー特有の先読みが、シュネルギアを動かした。
 女の形をした人造の天使は、マッハ20で動いて、地上からの火線をよけてのける。
「そんな! シュネルギアの機動についてこれる兵器が、敵にもあったなんて……!」
「なんだ……? あの、機体……?」
 地上から巨大な砲を構え、神楽を狙撃した漆黒の人型兵器。
 それが天羅中央大陸最強と呼ばれたヨロイ、“砕虎”であることを、ふたりはまだ知らない。

 * * *

「くそ、セプテントリオンめ、一体どれだけの機体を繰り出してくれば気が済むんだ!?」
 操兵ズィーダル・ハークスの斬撃が、超高速で飛来するコンバットシェル、“スティンガー”をすれ違いざまに両断した。ポリマーリンゲル液に引火し、火の玉になってCSは散る。ひどい死に方だ、とデイルは思った。
「こちらが音を上げるまででしょうね。お金があるってホントに強いわ」
 山脈を縫うようにして砲撃地点を確保しようとしていたトライアンフ社製のウォーカー部隊を、メリッサ・スクラムハート十竜長のドラゴンアームズ“ゼファー”の長剣がなぎ払う。
「他の世界に来たって気がしないな」
 デイルは苦笑いして、ズィーダル・ハークスを走らせた。まるで人のように走る美しい操兵は、狙撃をかけようとしていた“スタンディングトータス”の頭を断ち割り、さらに駈ける。

 * * *

 そして

 本当の闇が

 来る

 アンブラの夜を抜けて、Wyrmの諸力に汚染された数億の死神が

 MIST

 戦力比12000:1

 * * *

「うわー、もうだめだー!」
 無数のトルーパー級MISTの放つレーザーが、フォーチューンから派遣された八機の守護騎兵を一撃の下に吹き飛ばした。強獣軍団が蹴散らされ、たちふさがったブラスマンドリン18号も業火の中に消えた。ネロ隊がWyrm-MISTに喰らわれ、生きながら地獄へと堕ちる。
 まさに行殺であった。
「無敵22号の起動まであと二分三十秒……」
「間に合わないッ……!」
 その時、誰かがタラップへと駆け上がっていった。
 まだ若い、少年の姿。整備士だろうか?
「いかん、やめろ! その機体が何か知っているのか!?」
「ウービルト、Nr.9 チュルヴィング。搭乗者に完全な勝利と死をもたらす魔剣……でしょう?」
「なら、今すぐ降りるんだ! 今ならまだ、死の運命をまぬがれる!」
「……ボクの命より、守りたい大切なものがあるから。この宇宙を守るため、ボクは戦う! 命あるかぎり!」

 そして

 千億の絶望に対し、ただ一機

 白い騎士が立ち向かう

 共に戦うは、多元宇宙のすべてより、〈天秤〉に選び出されし鋼鉄の戦士たち

 今、本当のアポカリプスの門が開く!!

 つづかない!!

■参戦作品(五十音順)
異界戦記カオスフレア
WEREWOLF:the Apocalypse
Aの魔法陣
ガンダムセンチネルTRPG
ギア・アンティーク
幻奏戦記Ru/Li/Lu/Ra
鋼鉄の虹
真・女神転生TRPG
ストームブリンガー
スペオペ・ヒーローズ
セブン・フォートレスV3
装甲騎兵ボトムズTRPG
戦え! 正義の巨大ロボットRPG
ダブルクロス
天使大戦エンゼルギアTRPG
天羅万象
トーキョーN◎VA the Detonation
TORG
蓬莱学園の冒険!!
MAGE:the Ascension
メックウォリアー
メックナイツ
メタルヘッド
ワースブレイド
WARPS 逆襲のシャア


戻る