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伊藤計劃氏がガンにより亡くなられました。謹んでご冥福をお祈りいたします。
伊藤さんといえば『虐殺器官』で衝撃的なデビューを飾ったSF界の大型新人だったのは言うまでもありません。しかし、私にとっては何より、ボードゲーム集団「戦慄のマッド軍団」での遊び仲間でありました。
卓抜した知性と批評眼の持ち主であると同時に、マッド軍団有数の個性派でした。ヒライさんが書いているログさん攻撃事件だけではありません。口を開けば出てくるのはバカ映画や童貞の話。バルバロッサをプレイすれば、作成するのは棒にしか見えないエイリアンの頭(参考)。「それはないよ!」と総突っ込みだったことが思い出されます。
おそらくは体力の衰えによるものだったステッキ姿もまた、これ以上ないというほど似合っていました。そして、眼鏡の奥の瞳を細めての、楽しそうな笑み。あれほど笑顔が魅力的な方にはほとんど会ったことがありません。
イノウエさんが言うように、インターネットがなければ伊藤さんと出会うことも、ボードゲームを囲み酒席を同じくすることもなかったでしょう。0と1から成る泡沫のような空間だけがもたらすものがあると、つくづく感じます。出来れば別の形で知りたかったものですが。
人は死に、記憶は消えてゆきます。伊藤さんと交わした言葉にしても、細部は既に薄れつつあります。
それでも、帽子とコートとステッキという佇まい、何よりも、あの素敵な笑顔を忘れることは決してないでしょう。
いつか再び、彼岸ででも遊び、語り、笑い交わすことを祈って。
どうか安らかにお眠り下さい。
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