Search
« 読書録番外:システミック | メイン | ショートカット»
出版芸術社から「ふしぎ文学館」と題されたシリーズが出版されているのはご存じでしょうか。傑作『首吊少女亭』、日影丈吉の短篇集『恐怖博物誌』、クラニーこと倉坂鬼一郎のデビュー前短篇を集めた『百物語異聞』など、怪奇幻想味が濃厚(いわゆるキワモノも多数含む)な作品群を定期的に届けてくれる、怪奇党にはたまらないシリーズです。
久々の新刊がアナウンスされていたのですが……いや、著者名とタイトルを知って驚きました。
友成純一の『狂鬼降臨』ですよ。出版芸術社GJすぎます。
友成純一といえばスプラッタな描写に定評のあるホラー作家です。特に初期作品はすさまじく、倫理やら正義やらは薬にもしたくない、おれは人体を壊したいんだと言わんばかり。『屍者の行進』收録作の「地獄の釜開き」も凄かった。ゾンビ少女を砂の底に埋めて放置、一ヶ月以上経ってから取り出すというシーンはさすがに本を閉じたくなりました。大喜びで読むか、眉をひそめて拒絶反応を示すかになるタイプの作家といえましょう。
そして友成作品でも最強最悪と名高いのが『狂鬼降臨』です。
「現世と冥府の境がなくなり、地獄の鬼たちが地上に溢れ出してきた」という世界が舞台なのですが、驚くべきことに、境目が無くなった原因は語られません。そもそも、世界観の説明や鬼たちが虐殺をする理由がわずか数行ですまされてしまいます。後はただひたすら、鬼たちによる拷問の描写が続くだけ。引っこ抜き、八つ裂き、串刺し……暴力と破壊と殺戮とグロテスクとスプラッタが満載という容赦の無さです。苦手な方にはまったくもってお勧めできません。いやホントに。
本作はかつてハルキ文庫の『獣儀式』に収録されていたのですが、あっという間に見かけなくなってしまいました。
象徴的なのが『獣儀式』の「この商品を買った人はこんな商品も買っています」でしょう。
並んでいるのが
・隣の家の少女
・ブラッドハーレーの馬車
・殺戮にいたる病
・殺戮の「野獣館」
・オフシーズン
・襲撃者の夜
ですよ。これ以上的確な紹介はありません。
発売が楽しみです。
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.gyosekian.net/mt-tb.cgi/726