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![]() | 悪霊館 -サイモン・マースデン写真集 (Pan‐Exotica) サイモン・マースデン 河出書房新社 2006-08-29 売り上げランキング : 145384 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
幽霊屋敷。
何とも魅惑的な響きです。幽霊屋敷一口にいいましても零シリーズに登場するような和風屋敷、名作『シャイニング』の幽霊ホテル、サイレントヒル風のゴーストタウンなど、その形状は様々といえます。
しかし、幽霊屋敷の代表格といえばやはり、古式ゆかしい壮麗な館や城となりましょう。本書『悪霊館』で取り上げられているのは、まさにそのような幽霊屋敷――悪霊館ばかりです。収録された館の数は実に60。大型本ということもあり、迫力満点です。先日ご紹介した『倫敦幽霊紳士録』と併読すると素敵かもしれませんね。
写真はすべて赤外線写真であり、モノクロかセピア調となっているため、とにかく雰囲気があります。青空の下ですら暗鬱な空気が漂っているように思えるのは錯覚でもないのでしょう。
撮影されているのはイングランド/アイルランドでも曰く付きで知られる建物ばかり。呪術と肉欲に耽っていた修道院長が生きたまま壁に塗り込められたというソーントン修道院(リンク先は英語版Wiki。写真あり)、頭巾を被り長い髪をした女の幽霊が川沿いに出没するバーブレック館、そして、イングランドで最も有名な幽霊屋敷、あのボーリィ牧師館(本書ではボーレイ牧師館と表記)などなど、名前の響きだけで恐怖と興奮を呼び起こしてくれます。同世代の方なら『いる? いない? の秘密』でボーリィ牧師館をご存じかもしれませんね。
個人的には、17世紀の強欲判事、ジャン・トレジーグルが彷徨うというハーミッツ・チャペルの写真がお気に入り。教会のものだったと思しき一枚の壁が、荒涼としたムーアに屹立する様は荘重ですらあります。
著者サイモン・マースデンはイギリスの写真家。1969年から写真家としてのキャリアをスタートし、赤外線写真を用いた独特の作風を誇ります。廃虚や霊域を撮り続けていることで知られており、その作品は高い評価を得ていますね。ホームページ(英語)にも写真が掲載されています。
廃虚好き、幽霊屋敷愛好家、怪奇幻想党には必携の一冊と申せましょう。また、Oblivionの僧院や廃虚といったダンジョンに惹かれる方にもお勧め。
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