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霧の都、ロンドン。
英國の首都たるこの都市は実に多彩な顔を持ちます。ニューヨーク、東京、パリと並ぶ世界四大都市の一つにして、欧州経済の拠点という大経済都市。同時に、産業革命の拠点ともなった歴史的な都市でありますね。
そして何より、ロンドンは世界屈指の恐怖の都であります。とりわけ幽霊に関しては他の追随を許さないといえましょう。ロンドン塔、チャーチルの亡霊が彷徨うと噂される首相官邸、「アルビオンの死の木」こと絞首台にまつわる無数の怪事……枚挙に暇がありません。
本書『倫敦幽霊紳士録』ロンドン全域に点在する幽霊スポットを取り上げ解説した――つまりは「地球の歩き方 ロンドン幽霊篇」とでも言うべき一冊です。かの切り裂きジャックが活躍したイースト・エンドに始まりロンドン南部に辿り着くまで、まさに心霊スポット尽くし。
試みに「ウェストミンスター」のページを開いてみると
ウェストミンスターに出る幽霊の中で一番有名なのは「ベネディクトゥス神父」である。この幽霊はウェストミンスター大寺院に出るが、主に夕方の五時から六時の間、中庭を囲む回廊に好んであらわれる。(p. 248)
との記述があります。
続けて『モーニング・ポスト』紙が神父の幽霊出現を奉じた記事、ウェストミンスター・ローマカトリック教会に出没する「黒衣の幽霊」、ウェストミンスター橋の「橋に近付いてき、その下をくぐるように見えるのだが、反対側に姿を現すことはない」お化けボートなどなど……まさに幽霊譚のオンパレード。
索引および主要な幽霊スポットを網羅したロンドン地図も付されており、怪異目当てにロンドンを訪れるなら必携の一冊と申せましょう。
なお、素敵なのが訳者後書きのエピソード。
仏文学者にして詩人、超常現象本の執筆者としても知られた平野威馬雄が幽霊見物のためロンドン旅行に向かった時のことです。ある店員に観光で来たのかと尋ねられ、「いや、幽霊を見に来た」と答えたところ、店員は紙切れに所番地を書き付け「ここは、わたしの知っている××という家だが、この家には本物の幽霊が出る。是非行ってごらん」と言ったとのことで……さすがに違う。欧州最強の魔都は伊達ではないようです。
出版社倒産につき絶版ですが、入手は比較的容易です。マーケットプレイスにも格安で出ているようなので、資料に一冊いかがでしょうか。眺めているだけでも楽しいですよ。
●今日の荒山徹
ちょっと行ってみたい。
森宗意軒といえば、時代伝奇小説の金字塔、魔界転生のボスキャラですな。
しかし神社の解説文に「江戸初期の兵学者・由井正雪の妖術の師ともいわれる」とある時点で凄い。
ゲエー、ノッカラノウムの面!
完成度が高すぎる。コミケで販売しないかな。迷わず買うのですが。
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