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長いものを読む気力がどうにも沸かずエッセイや随筆を再読していたのですが、『花迷宮』は矢張り良いですな。
『花迷宮』は久世光彦最初期のエッセイ集です。自らの過去の想い出を軸に、浪漫的なテーマについて語るというスタイルはこの頃から一貫していますね。例によって端整かつ色気のある文章が頁を真っ黒に塗り潰しているのがたまらない。
取り上げられた主題は夾竹桃、西条八十、宝塚のかぐや姫など、魅力的なものばかり。中でも、夏目漱石について語った「されど漱石」が素晴らしい。読むたびに溜息をついてしまいます。
迷亭の、知っていても人生のどんな役にも立たないだろう知識というものが、私にはすごく垢抜けたものに思えたのである。いま確かに思うのだが、私はあのころからずっと『猫』の迷亭に憧れて来た。だから、知識は遊びだと思っているところが、私にはいまでもある。人のまじめな話を端から茶化し、嘘の上にもっと大きな嘘を重ね、どうでもいいデティルに偏執的にまで拘泥り、何を考えているかさっぱりわからない。そういう人に私はなりたかったのである。
知識とはかくあるべし。
私も見習いたいものです。
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●今日の注目作
たとえば,松本零士の名作『男おいどん』に出てくる「サルマタケ」に対して,著者は Coprinus sarmata という学名を提示している(pp. 111-113:個人的には準主役である「トリさん」の学名も知りたいところ)
これは買わざるを得ない。平凡社はいい本だすなあ。
余談ですが、『男おいどん』に比べいまいちマイナーな『聖凡人伝』もお忘れ無く。男おいどんから悲哀を取り去り乱痴気分を増量したという、ある意味で「四畳半もの」の究極型です。私にとってはバイブルの一つ。
●今日のべびプリ
一ヶ月と少しぶりの霙姉さんでした。考えてみれば年末とは一年の終わり、まさにテロスであり、我らが霙姉さんがトリを飾るのも必然でしょう。
それにしてもこの方はいつも美味しいところを持っていくな。いざという時頼りになるだけのことはある。
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