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2008年11月のアーカイブ
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いや、驚きました。まさかこれが文庫入りするとは。
『奇談異聞辞典』はその名の通りに、江戸時代の随筆集から奇談異聞ばかりを抜粋し五十音順に見出しをつけたものです。
編者は柴田宵曲。宵曲といえば、「ホトトギス」一派の俳人であり、かの森銑三と並び称される在野の碩学です。怪奇幻想ファンには『妖異博物館』の著者としてお馴染みでしょうか。無類の博識を有し、香気漂う随筆の名手でもありました。清廉にして品格ある文章はまさに文人と呼ぶに相応しいものでしょう。
本書は元来、江戸随筆のテーマ・アンソロジーとでもいうべき「随筆辞典」の一巻でした。正確には、「第四巻 奇談異聞編」を文庫化したものです。
江戸時代を通じて随筆は山とありますが、花形といえばやはり怪談奇談ではないでしょうか。南町奉行根岸鎮衛の著した『耳嚢(耳袋)』を筆頭に、まさしく百花繚乱、百鬼夜行の趣きがあります。
その『耳嚢』をはじめ、本書に引用された随筆集の数、実に百七。煩悩に一つ足りないところがまたよろしい。
何気なく頁を繰るだけでも「地下生活三十三年」「竹林院不明の間」「池水の怪」「地中の声」「地中の仏像」……字面だけで魅力的な項目が並んでいます。試みに「竹林院不明の間」を引いてみましょう。
……山門(延暦寺)に竹林院といふ坊あり。その内に児がやといひて、開かざる間あり。宝暦七年法華会の行事に、権右中弁敬明まかりて、かの坊に宿りけるに、家人をしてひそかにかの間を開きこころみしむ。うちは暗くて、何もなかりける。冷気身をおそふとおぼえて、たちまちかの身のわづらひつき、家に帰るとそのままに失せぬ……
とまあ、全編この調子で奇談異聞が並んでおります(それにしても淡々とした「そのままに失せぬ」が怖すぎます)。
引用書目一覧と索引も完備されており、怪異ファンや伝奇ファンには必携の一冊と申せましょう。
お手元に是非どうぞ。
<関連リンク>
・『江戸怪談集』(江戸時代の怪談集全十一種から怪談を精選、脚注をつけた必携書)
・『素白随筆集』(柴田宵曲と親交のあった文人、岩本素白の随筆集。名著)
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本の本、とでも呼ぶべきジャンルがあります。一口に「本の本」と言いましても色々ありまして、「この○○がすごい!」のようなブックガイド、書物について語った随筆、書評集など多種多様でしょう。その中にあって花形といえば、やはり書評集ではないでしょうか。
実際、世に書評集は数多い。書き捨てとしか思えないものから、評される本以上の魅力を放つものまでまさに玉石混淆です。そして、「狐」こと山村修の書評を玉の中の玉と呼ぶことに反対する人はあまりおりますまい。
ジュヴナイルから専門書に至るまでの幅広い目配り、該博な知識と鋭い論理を包み込む柔らかい文体、その魅力は枚挙に暇がありませんが、何よりも著者と読者の目線に同時に立っているところがいい。評する本の魅力を十二分に引き出し、同時に文章の隅々に至るまで「狐」の思考とリズムとが息づいている。読むこと自体が快楽となる素晴らしい文章です。世に書評は数あれど、つまらぬ自己主張を廃しながらも自分の視点と意見をはっきりと有したものはなかなかありません。
本書『もっと、狐の書評』は、既刊から選りすぐった書評と未収録の書評とを収めた、いわば「狐の書評」のアンソロジーです。それだけに、どの書評をとっても「狐」の息吹が感じられるものばかり。俎上に載せられた一冊に興をそそられると同時に、書評そのものをも堪能出来るというのは滅多に出来る経験ではないでしょう。単なる読書紹介ではなく、書評を読むこと自体が一つの体験というのは素晴らしいことだと思います。
「狐」は2006年に物故しています。まだまだこれからという時期での急逝でした。稀有な評者にして書き手を失ったことは痛恨事と言わざるを得ません。
その眠りが安らかならんことを。
●WEB拍手レス
唐突に「ゼロのキャプテン・スーパーマーケット」というものを夢想した。……絶対にろくな事にならない気がするブルース・キャンベル(語尾)。
ルイズに召喚されて「Sマートの日用品係だ!」と名乗りをあげると。
大惨事は確定ですね!
「花の慶次」のスピンオフで直江兼続を主役にした漫画がはじまるそうですよー。 原哲夫先生は原作担当だそうです。めでたいですけどやはり隆先生が生きていればなと。隆先生が描く兼続が見たかったですよ。
あれはチェックしていないのですよー。やっぱり読んでみるかな。
隆慶先生描く兼続はやっぱ「いくさ人」なんでしょうなー。
うちのトゥルー家族は 霙姉、(ぼく)、麗、吹雪 となっております。 なんというクール&スパイシー!(スパイシー?)
スパイシーは麗さん担当ですね。
それにしても霙姉さんは可愛いなあ。