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![]() | 戦国ゾンビ-百鬼の乱 1 (1) (バーズコミックス) 横山 仁 幻冬舎コミックス 2008-05-24 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
前々から気になっていた本作ですが、ようやく読みました。
タイトルからして色物の印象を受けるかもしれませんが、さにあらず。戦国武者とゾンビとの戦いを真っ正面から描いた快作です。
舞台は天正10年、天目山。史実においては、甲斐源氏の名門武田家が織田・徳川連合軍の前に滅亡した戦場として知られます。勝頼をはじめとした武田の裔はこの戦で悉く死に絶えました。
主人公は「片手千人斬り」の異名をとる土屋昌恒。戦国ものの主役として抜擢されるのは非常に珍しいですね。逸話に事欠かない武人であり、狭い崖道で織田の軍勢を迎え撃った際、蔦を片手で掴み身の支えとしながら戦い続けたと記録にあります。崖下の川は血で染まり、三日三晩赤いままだったとか。滅び行く武田に最後まで仕えた忠臣にして屈指の勇将だったといえましょう。
一方のヒロインは、勝頼と別行動をとる嫡男信勝、その実は妾腹の姫君たる紗羽姫。素顔を面頬の下に隠し、絶望的な逃避行にも挫けない気丈な少女です。これがいいヒロインなんだまた。
土屋と紗羽姫、そして武田秘蔵の赤葬兵(武田家の擁する特殊部隊。一人で四百騎の武者を相手に出来るという超人揃い)が相まみえるは、人肉を喰らう恐るべき「生ける屍者」ども!
この屍者たちが凄い。細切れにしても死なず、人間以上の速度で走り、噛みついただけでその相手を仲間にしてしまうと、ロメロゾンビが可愛く思える凶悪さです。バタリアンやドーン・オブ・ザ・デッドレベルですよ。
一巻では生ける屍者たちの背景には触れられません。誰が、あるいは何が彼らを生み出したのか? 彼らはどこから来たのか? そんな疑問を抱く余裕もなく、屍者たちは圧倒的な物量と、容赦ない不死身さをもって襲ってきます。
まさしく血みどろの地獄絵図、屍山血河を乗り越えながら一行はひたすら先に進む……というところで幕。実に気をもたせてくれます。
荒削りな絵もいいです。特に土屋昌恒の造形が好みですね。覚悟が決まっている揺るぎない武者はまこと魅力的です。
久々に続きが楽しみで仕方ない作品でした。キーパーソンと思しき山本道鬼斎勘助はどう関わってくるんだろう。
何はともあれ、戦国好きやゾンビ好きは必読。二巻が楽しみです。
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