2007年09月のアーカイブ

謝罪祭りとルーン文字

 例のアレを見て、「類似した事件が過去にあったような気がしたなあ」とばかりに資料を引っ張り出してきて読んでいたら、普通に気持ちが沈んできてしまいました。ううむ。
 猟奇事件に関する資料は山ほどありますが、文庫サイズで手軽な『殺人全書』と、紹介・考察系の有名サイトMONSTERSさんへのリンクを張っておきますね。


 話変わって、今日のお勧め本はこちら。

ルーン文字の世界―歴史・意味・解釈ルーン文字の世界―歴史・意味・解釈
ラーシュ・マーグナル・エーノクセン 荒川 明久

国際語学社 2007-06
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 日本語で読めるルーン文字の解説書としてはベストの一冊。古北欧型から中世までのルーン文字を扱っており、その変遷と解釈が基礎から丁寧に解説されております。ルーン文字研究史もあるのが嬉しいところ。
 北欧では教科書として使われているというのも納得の出来ですね。特に、図版と参考文献の充実度はただ事ではない。北欧史やルーン文字に興味のある方には必携でありましょう。

 伝奇関連なら、ランサーとバゼットのコンビが好きな方にもお勧め。
 調べてみると面白いですよルーン文字。


●今日の天国

人類の叡智の宝庫、世界中の美しい図書館20

 GF団さんより。
 エール大学付属のレアブック図書館には一度行きたいものですわ……眺めているだけでいつまでも過ごせそうだ。
 関連として慶應義塾図書館稀覯書画像を張っておきますね。かの『動物誌』がオンラインで読めるとはまっこと良い時代だ……


●WEB拍手レス

始めまして。NEUTRAL-ニュートラル- 代表・我流です。
本来ならリンクした時に挨拶に来るべきでしたが……遅れてすみません。どうやらこちらがリンクを張った事はご存知のご様子ですので、勝手ながらご挨拶のみ。
一ファンとしてアウレオルースの夜にの更新・完結を気長に待っていますので、これからも頑張って下さい。

 はじめまして。リンク有り難うございました。
 アウレオールスはそろそろ次の回を更新できそうです。気長にお待ち下さると幸いです。

確かに怪奇小説好きな人間は少ないですなー、とぼやいてみる怪奇小説党員の稲生です。ポーとかジャコビとかホジスンとか内田百間とかの古い怪奇小説で盛り上がれたらなあ、なんて。しかしそのぶんここのようなサイトが大変有難いです、はい。
あと、ジェントル・ゴースト・ストーリーは「子育て幽霊」と「異人たちとの夏」、「通夜の客」くらいしか知らないのですが他にもお薦めの作品がありますか?

『通夜の客』とは流石に解っていらっしゃる。山尾悠子の名品であり、名アンソロジー『少女怪談』にも収録されておりますね。
 ジェントル・ゴースト・ストーリーなら、『黒衣の女』などいかがでしょう。ゴシック様式の館、沼地から走る馬車、何処からか響く子供の泣き声、そして幻のように現れる黒衣の女と、雰囲気満点です。

"The World Without Us"とは色々違いますが同種の想像を喚起する本として『チェルノブイリの森―事故後20年の自然誌』も興味深いです。

 amazonで調べてみましたが……これは良さそうですね。ご紹介有り難うございます。
 読んでみよう。

人類滅亡後の話といえば「地球最後の男」ですかね、やっぱり。オメガマンのほうではなく(笑)
あれもリメイクされて、また映画になるらしいですが……単なるモンスターパニック映画にならんと良いなあ。
あ、オメガマンのリメイクだったら、それでも良いのか(笑)

 オメガマンをリメイクしてどうするという気もしますが……(笑)
 マシスンの『地球最後の男』は今でも通用する名作ですね。あの発想のシャープさには憧れます。

投稿者: 日時: 19:32 | | コメント (2) | トラックバック (0)

070927雑記

 今月の日経サイエンスに、"The World Without Us"の著者による記事が掲載されております。「もし人類が消えたなら地球は?」とのタイトル通り、人類が完全に消え去った後の世界をダイジェスト的に紹介し、そのような思考実験を行う意義を説明しています。
 人類消失から僅か2年でニューヨークが雑草と樹木に沈み、20年もすればマンハッタンは崩落して川と沼になっているとのこと。うーん、興味深い。
"The World Without Us"は邦訳が出ていないのでとっつきにくいかもしれませんが、こちらは日本語です。興味のある方はご一読を。


●今日のよくわかる世界史

ドラえもん・のび太の世界史板

 職人さんが奮闘しておられます。
 どのネタも良質ですね。中でも「ドラえもん のび太と十字の騎士」は最後の表情がとても良い味です。

<参考リンク>
インノケウティウス三世
 

投稿者: 日時: 20:28 | | コメント (0) | トラックバック (0)

070925雑記

●今日のオカ板

由美、?逃げて お父さんは 狂っている]

 タイトルが不気味でいい感じにホラーだ。
 錯乱した文章の真意について色々と推測して楽しむスレですね。明確な回答は無いのでしょうが、この種のスレは実に楽しいです。

怖がりだけどオカ板にきちゃった人専用スレッド

 色々と和んだ。
 それにしても、途中でゴキブリ怖いの話になってるのは何故だろう。みんなそんなに奴のことが嫌いですか。海外産だと綺麗なのもいるといいますのに。
 ゴキブリ秘宝館さんの情報が充実しております(言うまでもありませんがゴキブリが苦手な方はご注意を)


●今日の私信

 遅ればせながら帆掛さんがいいです >西山さん
 それにしても世に怪奇小説党は少ないですからのう……サイコホラーはともかく、ジェントル・ゴースト・ストーリー愛好家となると見つけるのも大変な気が。


●WEB拍手レス

そこで哲学者サッカー。
ニーチェが主審の孔子に「論語には自由意志がない」と抗議して警告くらうサッカー。

 ライプニッツがキーパーをしていたのに大爆笑でした。
 モナドは動かないっての。

投稿者: 日時: 19:53 | | コメント (0) | トラックバック (0)

読書録「宗教改革の真実」

宗教改革の真実 (現代新書)宗教改革の真実 (現代新書)
永田 諒一

講談社 2004-03-21
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 宗教改革時代における民衆の生活を社会史の方法論で記した好著です。ものものしいタイトルのため身構えそうになりますが、記述は平易、構成も筋道が通っているため、予備知識無しで読みこなすことが出来るでしょう。

 宗教改革といえばかのマルティン・ルターを筆頭に当時の知識人がクローズアップされることが多いのですが、本書の主役はあくまで民衆です。活版印刷の普及が宗教改革運動を後押ししたと述べた後、書物の増大と文字の普及による民衆の意識の変化、素朴で敬虔だった民衆たち、信条の違いによるカトリックと宗教改革派(プロテスタントのこと)の対立と、当時の彼らの姿を様々な側面から活写してゆきます。

 本書の魅力は、当時の人々の生活や信条がいかにして変化したかを限定された資料を駆使して生き生きと描き出している点にありましょう。この手の本にありがちなもってまわった言い回しはありませんし、日本語も論理的で非常に読みやすい。社会史の面白さを堪能することが出来ます。

 巻末には参考文献が記されており、今後の読書の参考になります。新書サイズなのでお値段も手頃。お勧め。

 余談ながら

それらの行為(引用者注:宗教改革派が自分たちの神学から演繹した行動規範。結婚の可否など)を実践したり、支持することが宗教改革支持者の証となり、それらに反対したり、無視しようとする者は宗教改革の敵対者ということになる。そして、そのような行動規範は、誰にもわかる単純明快な党派区分の指標となった。(p. 88)

 との記述が印象的でした。
 今日でもよくある単純化ですね、これは……

●WEB拍手レス

興味持って調べてみたら、カレーってカニバリズムと関係深いんですねえ。ブッダで出汁を取ったとかまた面白い話を知れました。

 そ、そんな話が!?
 面白そうですねえ……私も調べてみよう。

投稿者: 日時: 19:41 | | コメント (0) | トラックバック (0)

070922雑記

 今更ながら、我らが荒山先生の『魔岩伝説』を読んでおります。秘剣と柳生と朝鮮と忍術と妖術といういつもの荒山節であり、魅惑的な語り口と奇想溢れる展開、個性豊かな人物たちが頁を捲る手を休ませてくれません。それにしても、今作のライバル、柳生卍兵衛は格好良いな。剣に生き剣に死ぬタイプの人物像は大好きですよ。

 なお、SSはじわじわ進行中です。しばしお待ちください。


●今日のホラーな方々

"HALLOWEEN HORROR NIGHTS"の予告編でフレディ、ジェイソン、レザーフェイスが共演

 アッシュは! アッシュはどこだ!?
 いえね、ご存じの方も多いかと思いますが、フレディ&ジェイソンvsアッシュという企画があったのですよ……ポシャったらしいですが。無念だ。


●今日の人気投票

『ひまわりのチャペルできみと』人気投票結果発表

 権田原天&野々宮美駿withリノールさんの中継になっているのが嬉しい。この2人(+1)大好きなのですよ。立ち絵とか欲しかったなあ。
 結果は順当といえば順当……とはいえ、ナノ子の位置は少し意外です。メインヒロイン陣で一番のいい子なのになあ。いや、だからか?
 なお、私は毎日いっちゃんに投票していました。『ひまチャき』はどのキャラも魅力的なのですが、個人的にはいっちゃんが一番ですね。さばけていながら暗い影を背負った所がたまらない。「ボクの中には色んな嘘が積もっているけど……」の台詞は良かった……


●WEB拍手レス

グノーシスといえば、卓上ゲーマーとしてはカオスフレアですかね、やっぱり。
グノーシスを根っこに据えて、その上にファンタジーやらカンフーやらエースコンバットやら勇者ロボやら宇宙怪獣やらを乗っけてごった煮にするとは。
近頃はもう、カオスフレアばっかり遊んでます(笑)

あとゴキヴリといえば「天然戦士G」かなあ、とか。
あれは良いヒーロー物でした。

 カオスフレアは良いゲームですね。私もやり込んでおります。経験点貯まってるけど使ってないなあ……

 ゴキヴリマンとは懐かしい。あれは名作でありました。

投稿者: 日時: 21:45 | | コメント (0) | トラックバック (0)

読書録「グノーシス―古代キリスト教の“異端思想”」

グノーシス―古代キリスト教の“異端思想” (講談社選書メチエ)グノーシス―古代キリスト教の“異端思想” (講談社選書メチエ)
筒井 賢治

講談社 2004-10
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 読了。良書。
 日本語で読めるグノーシス主義入門書として優れています。

 グノーシス主義を要約すると、「人間は、偽りの神(多くはデミウルゴスと呼ばれる)が創造した不完全な世界の住人である。それゆえに、真なる霊的なものに目覚め、<至高神>のおわす天上の世界に帰らねばならない」となりましょうか。詳しくはWikipediaをご覧下さい。

 本書は、グノーシス主義が誕生した紀元二世紀の歴史的、思想史的背景を記述した後、ウァレンティノス派やバシレイデースといった主要学派の主張を概観しています。整った構成のため、読んでいて内容がすらすらと頭に入りますね。また、各派の創世神話を要約した図が文中に挿入されており、理解を助けてくれます。

 グノーシスに相通ずる思想を列挙するのではなく、あくまで初期キリスト教史の枠内でグノーシス主義をとらえ、その定義や歴史叙述を目指すというストイックな姿勢が印象的です。一見すると地味に思えますが、そのようなアプローチこそが有効なのではないでしょうか。著者の文章からは学ぶ所が多く、グノーシスと近世の思想行動を安易に結びつけることを批判するくだりは示唆に富みます。

 個人的には、グノーシスのような「異端」との戦いを通じ初期キリスト教が自らの教義を確立させていったという話が印象的でした。思想宗教もまた人の営みであることが良く解ります。

 索引と参考文献も充実。これからグノーシスを学ぶ人に最適の一冊かと。


●WEB拍手レス

「手首ラーメン」なら知っていますが、手首カレーは寡聞にして知りませんね。ただ最近カレーにネズミの糞が入るなどの異物混入事件がありましたから、案外その両方を混ぜた噂話ではないでしょうか。
一応貼っときます。「手首ラーメン」 あとこんなのもありました。
たしか、ヤクザ関係者でなんでそうなったのか忘れましたが証拠隠滅の為に煮込んでたのだか、隠してたのだかって、どっかのスレに書き込みが覚えがありますが、あれってラーメンだったかな?

 お二人とも情報有り難うございます。
 なるほど、手首ラーメンでしたか。そういえばオカルト板で読んだことがあった。
 異物混入事件と混ざった線はありそうですねー

ゴキブリといえばさすがに今年の猛暑には耐え切れなかったのか、玄関で2匹ほど干からびて死んでいたりしました。
ゴキすら葬る暑さとか洒落になりません

 今年の夏は死ぬかと思いました。
 ゴキが死ぬならそりゃ人は倒れますな……

不思議な事に、何日も生きるとか言いますけど、ホイホイに捕まると結構一日二日ぐらいで死にますよな。あのシートに殺虫成分でもあるんじゃろうか。

 調べてみたところ、殺虫成分は使用していないらしいです。
 水分が取れなくてコロリといくのかもしれません。

投稿者: 日時: 21:10 | | コメント (0) | トラックバック (0)

070917雑記

 連休はrandam_butterさん主催の飲み会にお邪魔したり、『アルシャードff』のキャンペーンシナリオ「オーバー・ザ・レインボー」の最終回をプレイしたりでした。

 いやしかし飲み会は凄かった。肉と肉と肉と酒と酒と酒にまみれた北欧の荒くれどものような宴でしたことよ。中でも青梅松竹さんが輝いておりました。隣席のV林田さんが虚ろな目になるくらいに。
 とまれ皆様、有り難うございました。


●今日の気になる

 オカルト板のCoCo壱スレに気になるレスが。

3 :既にある名前は勘弁な ◆Q1BiTcH..Q :2007/09/16(日) 22:29:16 ID:DlzVSjM/O ?2BP(1111)
カレーに手首入れて捕まった店とかあったよね

 うーん、猟奇的。「カレー 手首」で検索してみてもそれらしい事件が出てきませんでした。
 ご存じの方がいらっしゃいましたら情報お願いいたします。

●今日の生命力

ゴキブリの首を切断しても生きてるって・・・2匹目

 ゴキブリスレ注意。
 やつらがいかに凄いか淡々と話が進んでいてちょっと面白いです。まあ、あいつらは地上最強の一角だからなあ。
 最近は北海道でも見かけられるそうですね。どこまで広がるゴキの生息圏。

投稿者: 日時: 22:17 | | コメント (0) | トラックバック (0)

一段落したので

 のんびりと読書を楽しんでおります。そろそろSSもアップしなければ。

 取りあえず先日入手した『グノーシス―古代キリスト教の“異端思想”』を読んでいるのですが、これはいいですよ。グノーシス主義が明確な形をとった二世紀~三世紀にテーマを絞っているため、記述の輪郭が明瞭です。グノーシス主義とはいつ、どこで生まれた思想なのか、そしていかなるものかということが良く解ります。索引と参考文献を完備しているため専門書に進むのも容易と、お手本のような選書ですね。

 電車のお供にと買った『「狂い」の構造』もなかなか。精神科医にしてエッセイストの春日武彦と我らが平山夢明先生が現代の狂気を肴に盛り上がっております。塾長が書いておられるように、平山先生の体験談はリアリティがありすぎるな。とんでもない方向に話が流れそうになると司会進行役の方が的確な質問や意見を挟むのですが、春日平山コンビがフルスロットルで飛ばしているせいで場違いに思えてしまうのがまた凄い。

●今日の遺伝子

ニジマスしか産まないヤマメ 東京海洋大チーム、精巣細胞を移植

ヤマメの精子や卵子を生じさせない手段として、不妊症のヤマメを「親」にすることにした。すると、ニジマスの精原細胞を移植されたオスのヤマメはニジマスの精子だけを、メスのヤマメはニジマスの卵子だけを作るようになった。

 この手があったか!
 色々応用がききそうですなー。マグロ大量養殖に繋がるかもですね。

投稿者: 日時: 23:51 | | コメント (0) | トラックバック (0)

読書録「物語 中東の歴史」

物語 中東の歴史―オリエント5000年の光芒 (中公新書)物語 中東の歴史―オリエント5000年の光芒 (中公新書)
牟田口 義郎

中央公論新社 2001-06
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 当たりでした。
 中公新書の物語シリーズは全体的に出来が良いのですが(名著『物語 イタリアの歴史』の影響でしょうか)、本書もその例に漏れません。
 副題で「オリエント5000年の興亡」と銘打っているものの、メインはオスマン・トルコ帝国勃興直前までです。正確には「物語 アラブの歴史」と呼べましょう。
 中東と言えばイスラーム、と短絡せずに、シバの女王や、亡都パルミラ最後の主、美貌と才智をもってなる女王ゼノビアから話を始めているのが嬉しいところ。パルミラ滅亡を扱った第二章にはパルミラ地図まで付いており、参考になります。

 イスラーム登場以後は、ヨーロッパやモンゴルとの戦いを軸に、ヌールッディーンや、獅子心王リチャード最大のライバルサラーフッディーン(サラディン)ら、中世イスラーム世界を彩った人々が思い入れたっぷりに描き出されます。歴史的事実の記述にも手抜かりはありません。本書一冊で、11世紀から13世紀のイスラーム世界の流れを掴むことが出来るでしょう。

 もっとも、本書の主役は何といいましても、13世紀イスラーム世界の雄、独眼竜バイバルスです。トルコ系のマムルーク(奴隷と訳されることがありますが、ニュアンスはかなり違います)出身でありながら王朝を創始した傑物であり、自ら前線に立つ軍人でもありました。その軍才は傑出していたようで、当時世界最強だったモンゴル軍をも打ち破っています。
 日本ではマイナーな人物ですが、現地での人気はサラディンや千夜一夜物語で有名なハールーン・アッ=ラシードを上回るそうですね。この人物については殆ど知らなかったため、勉強になりました。
 それにしても見るからに逞しい戦士であり、軍事の天才であり、一代でスルタンにまで成り上がった英雄で、おまけに独眼だったとは。キャラが濃すぎる。

 近現代の扱いが薄いのが難点ですが、新書サイズということを考えれば仕方ない所でしょう。本書外の時代をカバーするために、『中東戦争全史』と併読するのがお勧めです。

 なお、本書で扱われている時代を語るには十字軍の存在が欠かせません。HISTORIAさんのコンテンツ十字軍とその時代 を参考に色々読んでみるのも面白いと思います。


●WEB拍手レス

『聚楽 太閤の錬金窟』は『信長―あるいは戴冠せるアンドロギュヌス 』の続編的物語なので、先にそちらを読んだ方がいいかと…。

 おおう、続編的なものでありましたか……
『信長~』を探してきます。

投稿者: 日時: 21:56 | | コメント (0) | トラックバック (0)

070910雑記

 休日は大抵本屋と古本屋をぶらぶらしております。
 というわけで、先の日曜も幾つか入手してきました。

図説 海賊大全
グノーシス―古代キリスト教の“異端思想”
物語 中東の歴史―オリエント5000年の光芒
イラク建国
中国訪問使節日記
聚楽―太閤の錬金窟
黒い蘭の追憶


 文庫と新書中心とはいえ、まとめ買いは矢張り心地良いものです。
『グノーシス~』は良い入門書と聞いたので迷わず入手。グノーシス主義についての本はちゃんと読んだことがなかったのですよ。世界宗教史での記述がまとまっているそうなのですが、あれはどうにも文体が入り組んでいて……一度通読しないとなあ。
 それにしても講談社選書メチエは良書が多いですね。特に歴史・宗教・思想哲学は充実しています。あれもこれも読みたくて困ってしまいますな。

 中公新書の二册はどちらも中東もの。最近中東づいています。
 ヒッティの『アラブの歴史』(講談社学術文庫で上下巻1300頁以上という大作)も買ってしまおうかしら。ヤフオクで意外と見かけるのですよね、あれ。オンライン古本屋でも幾つか在庫があるようですし。
 この種の歴史本を探す場合は世界史板の中公新書『物語〇〇の歴史』シリーズについてが参考になります。

『聚楽 太閤の錬金窟』は先日勧められて以来気になっていたので手に取ってみました。時代伝奇の傑作らしいので楽しみ。

『図説 海賊大全』を格安で入手できたのが一番の収穫でした。
 資料的充実度は言うに及びませんが、何といいましても、海賊のユートピアことリバタリア(リベルタリアとも)に一章を割いているのが良いです。リベルタリアは、17世紀末から18世紀初頭、海賊たちがマダガスカル島に作りあげたある種ユートピア的な性質を持つ共和国ですね。海賊達の国という響きや、哲学者が軍師を務めていたという伝承からして実に浪漫的。
 船戸与一『群狼の島』はリベルタリアに題材を取っているそうです。読まなければ。

 なお、『中国訪問使節日記』はamazonだとバカ高いですが、日本の古本屋で1,500円前後で出ています。amazonマーケットプレイスは便利ですが異常な高値がついていることも多いので、高すぎると思ったら日本の古本屋やスーパー源氏で検索してみるのが良いかと。

●今日のお知らせ

 エントリーの先頭にSS置き場へのショートカットを設置しました。これは、NEUTRAL-ニュートラル-さんでご紹介していただいたためです(有り難うございます)。
 先頭に置くため日付設定を弄っております。そのため、常にRSSリーダーの先頭に表示されてしまうかもししれません。お困りの場合はご一報下さいませ。

 また、個別エントリーの上部リンクにバグが発生しています。一個先のエントリーに進むためのリンクが、最新エントリーへのリンクになってしまっています。Movable Type3.35が再度公開され次第修正出来ると思いますので、しばらくお待ち下さい。ご迷惑をおかけします。

投稿者: 日時: 22:18 | | コメント (0) | トラックバック (0)

読書録「戦場の精神史 武士道という幻影」

戦場の精神史  ~武士道という幻影 (NHK出版)戦場の精神史 ~武士道という幻影 (NHK出版)
佐伯 真一

NHK出版 2004-05-30
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 良書です。
 本書の主張を要約すれば


『武士道』とはフェアプレーと忠義の念を何よりも尊ぶ倫理観とされている。だが、この『武士道』は作り出された幻影である。平安期から戦国時代までの武士とは、夜討ち朝駆け、騙し討ちを常道とする存在だった。彼らにとって名誉とは戦場で手柄をあげ生き延びることであり、そのためにはいかなる手段を用いても敵を倒す必要があったのだ。味方に対しては誠実であったが、それも時と場合によるものだった。


 ということになりましょうか。

 頷ける主張です。
『武士道』というからには、『武士』がいなければなりません。しかし、武士という言葉はひどく曖昧です。太平の中にいた江戸時代の武士と、権謀術数渦巻く戦国時代の武士とでは、倫理観も価値観も全く異なりましょう。
 例えば、映画『ラスト・サムライ』で描かれた武士道は美しいものでありました。しかしそれは戦乱の時代を生き抜いた武士たちの有した『武士道』とは異質なものでしょう。
 歴史は連続していると同時に変化し続けます。社会環境も、人々の精神性も同様でしょう。『武士道』なる心性だけが古来より変わることなく存在したなどという発想は、考えてみれば妙なものです。

 議論の手続きは丁寧です。中世文学の専門家である著者は、多数の文献を引用し主張を裏付けてゆきます。専門家ならではの着実な議論は見習いたいところ。参考文献の記述が丁寧なのも良いですね。興味をもった箇所を手がかりに色々と調べ知識を深めることが出来ます。

 私たちの持つ『武士道』概念がいかにして形成されたかを解き明かす過程も興味深いです。江戸から明治大正昭和と、武士道が理想化され、やがて国民国家形成に利用されるプロセスが良く解ります。

 もっとも、本書の真価は『武士道』を幻影とし常識を否定する点にはありません。
 後半部、荒々しく現実的な処世術だった武士道が、太平の世の倫理観へと変遷する過程を通して著者は問いかけます。
 戦場の倫理は果たして平時の倫理たり得るのか。
 平時の精神性は、戦場のそれにどこまで由来するのか。
 著者が言うように、この問いかけは戦争一般に関する議論にまで通じます。安易な答えを出せる問いではありませんが、それだからこそ思索を促してくれると言えましょう。

 良質な議論と新しい視座を与えるのみならず、思索までも誘ってくれる好著です。
 興味のある方は是非ご一読を。

投稿者: 日時: 22:49 | | コメント (2) | トラックバック (0)

ひまチャき終わり

ひまわりのチャペルできみと』無事クリアー。いや、本当に、本当に面白かった……

 全編を通して際立っているのが、ユーモラスなテキストの冴えです。どの会話もセーブして繰り返し読みたくなるほどなのですが、中でも主人公、こゆ吉ナノ子もなむーの掛け合いは絶品。主人公ボケる→こゆ吉が突っ込む→もなむーが高らかに笑う→ナノ子が締める、という一連の流れがたまらないです。

 作品の胆とも言える主人公とヒロインのやり取りの甘さはただ事ではありません。どのルートでも結婚前後から始まるデレぶりが凄まじく、ニヤニヤしてしまうこと請け合いです。雛里ルートでは作品の根管に関わる設定が明らかにされるのですが、あまりの甘やかしぶりに設定群の印象が薄れてしまうほどです。
 個性豊かな(というか豊かすぎる)キャラクターたちが繰り広げる愉快痛快な学園生活でのやり取りは抱腹絶倒の一言。さすがは竹井10日先生と申せましょう。

 シナリオも硬軟取り混ぜたバランスが良く、最後まで楽しめました。どのキャラクターもかなり重い背景を有していますが、本人のルート以外では必要以上に強調されることはありません(その分、思い入れが深まると色々考えてしまって辛いのですが……)。
 魅力的なキャラ、楽しませることに徹したテキストと、読んでいるだけで心から楽しめる紛れもない良作。みんなプレイしましょう。

 なお、システム面で問題があるため、公式のパッチを必ず当ててからプレイしてください。

 それにしても攻略不可なサブキャラが皆揃って魅力的なのは、嬉しいやら悲しいやら。
 ポジション的にいっちゃんは仕方ない所ですが、権田原天やしょーちゃんルートは見てみたいです。ファンディスク出ないかなあ……


●今日の宗教世界

ネパール航空、機体の不具合受けヤギ2匹をいけにえに

 ヒンドゥー教では定番の生贄ですな。
 気になるのはどこで生贄を捧げたかです。空港で捧げていたとしたら、何ともシュールな光景になりそうですが。

●今日の考古学

3000年前の養蜂場、イスラエルで発掘

京都・宇治川右岸で「太閤堤」跡が発掘される

 どちらも発掘ネタ。興味深い。
 前者は出エジプト記にある「乳と蜜の流れる地」との関連が気になるところです。

投稿者: 日時: 21:48 | | コメント (0) | トラックバック (0)

ジュヌヴィエーヴ三部作発売間近

●今日の吸血鬼

キム・ニューマンのジュヌヴィエーヴ3部作は10/1発売

 本読みの憂鬱さんより。WEB拍手でも情報をいただきましたが(有り難うございます)、ドラッケンフェルズシリーズは無事翻訳発売されるようです。発売日は10/1にHJ文庫よりですね。

 キム・ニューマンといえば何といいましても、かの大傑作クロスオーバー伝奇ホラー『ドラキュラ紀元』三部作でありますが、今回翻訳されるのはドラキュラ紀元シリーズの主役、ジュヌヴィエーヴ・サンドリン・ド・リール・デュドネの物語です。その昔に一部が翻訳されていましたが長らく絶版でしたのでまことに嬉しいですね。

 未読の方のために補足しておきますと、ドラキュラ紀元三部作とは、ドラキュラ紀元、ドラキュラ戦記ドラキュラ崩御の三作を指します。吸血鬼が大英帝國を支配した架空の世界を舞台としており、古今東西あらゆる作品からの吸血鬼が登場する一大伝奇娯楽活劇ですね。東出さんも絶賛しておられます(よね、確か)。

 三部作は残念ながら絶版ではありますが、大きな書店や新古書店で意外と簡単に発見できます。これを機会に復刊されると嬉しいなあ。
 とまれ、発売の折には皆様是非ともお買い上げを。

投稿者: 日時: 21:56 | | コメント (2) | トラックバック (0)

ひまチャきプレイ中

ひまわりのチャペルできみと』(AA)は順調に進んでおります。先日の二人に加えて、ナノ子ねねねぇをクリア。

 何はさておき、ねねねぇシナリオが凄いです。
 主人公の●●(ネタバレでしたので伏せ)と明記した上でどう話が進むのか楽しみにしていたのですが……いや、正直脱帽ですね。こうまで直球で来るとは思わなかった。

 序盤から中盤にかけてこそダダ甘えお姉ちゃんと主人公の愉快な日常が繰り広げられる抱腹絶倒の展開なのですが、お互いの気持ちを自覚してからは様相が一変します。作品のモチーフである向日葵に背を向けるような展開はかなりの迫力。ネタバレ回避のために詳しくは書きませんが、人によっては胃に穴が空くかも知れません。少なくとも私は空きそうでした。
 姉と弟という関係がどのようにして、いかなる結末をむかえるかは、是非ともその目で確認してください。姉ゲーというテーマに深く踏み込んだ名篇と言える出来です。竹井10日先生書くところの姉シナリオは矢張り一味違う。

 一方のナノ子ルートは安定の出来。幼馴染みとの恋愛劇、結婚話という王道を走っていながら、お馴染み特殊成分は大幅に盛り込まれているのでご安心下さい。
 何気に毒がキツめであるナノ子のキャラが秀逸です。ナノ子ルートではあまり見られませんが、やさぐれ顔が大変に良い味を出していますね。口の片方を吊り上げているのがいいんだ。

 テキストの冴えはどのルートでも名人芸の域でしょう。会話のテンポの良さは比類がありません。
 個人的には

「充分とか必要とか最初に言い出したのは誰なのかしら?」
「エヴァリスト・ガロア、ナノですーナノですーナノですー」

 で盛大に吹いたです。群論かよ。

 選択肢も豊富ですし、長大なボリュームにも関わらず繰り返しプレイが全く苦痛になりません。攻略可能ヒロインはあと二人ですが、プレイを終えるのが惜しくなってきてしまいます。慌てずに、ゆっくりじっくり堪能するとしましょう。

 もののついでに名著『ガロアの生涯―神々の愛でし人』を張っておき……あ、絶版になってる。ままならんなあ。

投稿者: 日時: 20:18 | | コメント (0) | トラックバック (0)