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最近読んだ中で良かったものをまとめて。
簡易読書録といったところです。
三島の名戯曲が初の文庫化。ストーリーなどは有名ですね。Wikipediaにも詳しいです。
三島は『文章読本』で戯曲の文体は「散文のやうなしっかりした形を離れて、融通無碍な、さうしてかつ流動し舞踏する独特な」ものであると述べています。本作はその最高度の実践例と言えましょう。
端整でありながら修辞的、過剰なまでに装飾と陰影に溢れた長台詞はほとんど唯一無二のものでしょう。『わが友ヒットラー』と並び、声に出して読みたい戯曲です。巻末には三島と美輪明宏の対談他も収録されていてお得です。
フランスの狂詩人ジュラール・ド・ネルヴァルの長篇小説。澁澤龍彦も絶賛していた一品ですね。
シバの女王とソロモンの恋を主題とした幻想譚であり、中村真一郎鏤骨の翻訳が素晴らしい。
リバイバル出版なので旧字体、かつ印刷も掠れ気味です。またいい味出しているんだこれが。
シュテファン・ツワイクは旧来の表記。現在ではシュテファン・ツヴァイクが一般的でしょうか。『ナポレオン 獅子の時代』でも強烈な印象を残した、革命期フランスの政治家ジョゼフ・フーシェの評伝……ではありますが、異様なほど面白いです。臨場感溢れる筆致と劇的な展開は、まるで波瀾万丈の歴史小説を読むよう。「面白すぎる」と苦笑混じりに評されたのは伊達ではありません。
例によってamazonでは無駄に高額ですが、新古書店や古書店の文庫棚で意外に見かけます。そちらを探すのがよろしいかと。
中国の文学、地理学、建築学、庭園などなど……中国の培ってきた文化伝承の中でも、ややオカルティズム的傾向を持つ題材を選んだ文章集。中国の宇宙論について述べた「中華風惑星カタログの旅」、ヨーロッパの博物学書に記された図像が中国でいかなる変遷を遂げたかを示す「八戒、その漂白の旅」など、魅力的な題材が山ほど盛り込まれています。博識ぶりが縦横無尽に発揮された好著。本書に限らず、武田雅也の著作はどれも良いです。翻訳書である『スキタイの子羊』もお勧め(スキタイの子羊に関しては叡智の禁断図書館さんのレビューも参考にしてください)。
怪奇探偵小池壮彦初期の著作。見開きにつき一地域を扱っており、怪奇現象の概要、発生地点の地図、怨念の系譜、怪奇現象の頻度と恐怖度を記しています。怪奇現象の記録であると同時に、データベース的な性格も強いですね。充実度は高く、この本が元になった都市伝説もあるとか。
amazonではやや高めですが、Yahooオークションなどで容易に入手可能です。
と学会本で久々のヒット。「秀吉は美濃墨俣に一夜城を築いた」「失われたアークは四国剣山にある」「アインシュタイン曰く日本は世界の盟主」など、日本史にまつわる怪しげで魅力的なテーマを検証しています。最初に巷説を示し、しかる後に真相を書くという形なので前提知識が無くても安心。真相については賛否があると思いますが、参考資料を示しているので検証も容易かと思われます。トンデモ関連本は最近不作だったので、このようなしっかりした本が出たのはファンとして嬉しい限り。
個人的にポイントが高いのは松尾芭蕉隠密説。「忍者松尾芭蕉」ってちょっと格好良いな。
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