映画録「300」

 はい、噂の『300』を見て参りました。

 何はともあれ、ペルシア王クセルクセスの変態ぶりだけは強調しておきたい。
 長身、スキンヘッド、全身ピアス、全身アクセサリー、金ラメのビキニパンツですよ。インパクト強すぎ。主役のレオニダス王が蛮族蛮族な戦士なだけに、クセルクセスの変態性が際立っています。素晴らしい。

 あとペルシア軍も微妙におかしかったな。奴隷で構成された一般兵こそ普通なのですが、途中からクリーチャー的な連中が続々と出てきます。しかも説明無し。
 近衛兵は黒装束にドクロ仮面、鎖に繋がれたサイボーグのような兵士、手が刀になっているオークみたいな処刑人までいましたね。
 あと、途中で出てくるサイは、シャドウランに出てきそうな大きさとデザインでした。あれはサイとは言わないだろ。

 ストーリーは単純明快。誇り高きスパルタの王レオニダス率いる300の軍勢が、神王クセルクセス旗下のペルシア軍100万といかにして戦うか、ただ一点です。この戦いについてはWikipediaが詳しいですね。
 スパルタの皆さんは例外なく「愛国心と自由と己の信じるもののために死狂って戦う益荒男」です。要するに300人全員が隆慶一郎的「いくさ人」。
 レオニダス率いる「いくさ人」たちは、情容赦の欠片もなくペルシア兵を刺して斬って殴って殺してまわります。ペルシア王クセルクセスが本当に寛大な神王のため、見ている内にどっちが悪役だか解らなくなってきたり。

 日々是魚を蹴るさんが指摘していらっしゃる通り、取ってつけたような自由主義礼賛メッセージが散見されるのが珠に瑕。ですがまあ、これは愛嬌の範囲でしょう。どれだけ捻くれた見方をしてもプロパガンダ映画ではありません。汗と筋肉と誇りと益荒男の映画です。
 これに関連して興味深いのが、マックス・ヴェーバーが、神託に抗ってペルシアと戦ったギリシアを「神聖政治に対する戦士階級」として称揚していることですね(参考『マックス・ヴェーバー入門』)。山之内靖によればニーチェ的英雄像を体現したとされるギリシアの戦士たち、その彼らが自由主義礼賛を叫ばされているのは皮肉というか何というか。

 とまれ、良い映画でした。今年度屈指の出来じゃないかな。鬨の声をあげるシーンでは一緒に叫びたくなりましたよ。誰もが心の奥に秘めているであろう心性、信じるものと愛するもののために戦う精神を見事に掬い取っております。筋肉フェチにもお勧め。ジェラルド・バトラーがいい筋肉見せてますよ。

 あと、300のMADをリンクしておきますね。

・youtube

・ニコニコ動画版

 この二つを合わせたセンスは評価したい。

<追記>
・王妃漢らしすぎるよ王妃。
・オラクル美人だよオラクル。
・ペルシア指揮官達の解りやすい悪役ぶりがいい。
・アルカディアの皆さんには同情します。

投稿者: 日時: 2007年06月12日 22:26 Web拍手

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