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あらすじについてはアマゾンさんを参照してください。
物凄い作品です。
凄いというかひどいというか。褒め言葉としての「ひどい」ですが。
元々は角川スニーカー文庫で1996年に刊行されています。今年になって、GA文庫で復刊されました。
冒頭から飛ばしています。
一応はライトノベルのレーベルだというのに
国がひとつ、死に瀕していた。
「面白かったな」
というのが、国の最高権力者アバール大公の感想である(中略)だが、当代の権力者というのは、みな、このような性質の連中だったのだ。
ですよ。
紛う事なき時代小説文体。それも隆慶一郎。
カバー裏の紹介文も
一陣の風のごとく戦場を駆け抜ける赤毛の巨馬。騎乗する男が振るうのは、一スタルト(約3.6メートル)はあろうかという"削り出し"の大槍だ。それに触れた五人の兵士の首が一度に飛ぶ。人間業ではない
だしなあ。この文章見ただけで読みたくなりますよ。
内容もやっぱり隆慶でした。登場人物は
・全てにおいて規格外な亡国の世継ぎ、ダリウス。豪放磊落、一瞬一瞬を最大限に生きる漢の中の漢。
・その主に仕えるいくさ人な戦士二人。
・気丈でタフで格好良い美女。ダリウスの内縁の妻。
・ダリウスたちに助けられる純真で大胆不敵な亡国の皇女、フィアナ。
の五人がメイン。他に、覇王の名が相応しい皇帝(ニヤリと笑って『虎は飼えるが龍は飼えぬ』と云ったりする)、食わせ物の強欲商人、文武に長けた切れ者政治家と、魅力的な面子揃い。キャラのやり取りだけでも楽しめます。
ストーリーは単純です。
舞台はどこか土俗的な匂いのする架空の大陸。フィアナに請われ、ダリウスたち五人が一国を奪いにかかる武勇伝ですな。
当然のように一行は大暴れ。戦闘シーンは「ダリウスが槍を振るうと、はたして兵士たちは皆死んだ」の勢い。素晴らしい。こうでなければ。
作者が後書きで述べているように、若書きであり構成も筆致も荒削りです。玄人の筆とはとても呼べません。
ですが、無性に面白い。細かいことを気にせずぐいぐいと読ませるパワーがある。物語にとってはある意味一番大事なものを持っていますね。
ブレイド・オブ・アルカナで隆慶一郎やったらこんな感じなんだろうな。
時代小説好き、毛色の変わった小説好きにお勧めです
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