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« 読書録:今、空にある危機――「超音速漂流」 | メイン | ショートカット»
読了はしていたけど書いていなかった小説について。
全て海外冒険もの、ミステリものです。
ロサンゼルス南に位置する小さな街、ハンティントン・ビーチ。この平穏な街で一人の警官が殺された。その事件を皮切りに、一人、また一人と警官が殺されてゆく。市民からの執拗な批判と不信、組織に蔓延する疑心暗鬼に警察機関は窮地に陥る。
事件の背後に蠢くは、凄腕のテロリスト“タナトス”。そして、彼が導く陰謀<ベイルファイア>とは?
単独のテロリストvs警察機構という設定がまず秀逸。テロリスト側、警察側、両面から丁寧な描写がなされるため、双方に感情移入して読むことが出来ます。“タナトス”ただ一人によって混乱させられてゆく警察機構の描き方が実に上手い。
刻一刻と<ベイルファイア>へと向かうストーリーもスリリング。“タナトス”がこの手の小説ではありがちな完全無欠のスーパーマンではないのもいいですね(極悪非道の犯罪者ではありますが)。
中盤以降ダれてしまうのが残念。ちょっと長すぎた印象があり。とはいえ、緊迫感に満ちた良作です。
「一人の人間が同じ期間を延延と繰り返す」という基本コンセプトと、終盤に炸裂するアイデアが卓抜して秀逸。これだけでも読む価値はありましょう。
ただし、作者の資質なのか、中盤以降が大変退屈です。話の力点が、時間のループをいかに利用するか、から主人公とメイン・ヒロインの心の交流へと移るのですが、これがまあ冗長で冗長で……
長さをもう少し切りつめた方が良い作品になった気がしますね。惜しい。
イギリスの片田舎。「うちのニワトリ」が荒らされていることに気付いた農夫は、ショットガンを手に鶏小屋に飛び込んだ。彼の前に現れた「そいつ」が持っていたのは鋭い爪、巨大な顎、長い尻尾。そう、それは遠い古代に滅びたはずの恐竜、ディノニクスだったのだ! やがて、何処かから大量に現れた奴らは、街を、人々を襲い始めた……
ただひたすらに恐竜が暴れ、人々が逃げまどうだけのパニック小説です。恐竜が出現した理由も脱力ものであり、紛う事なきボンクラ小説。
だが、それがいい!
いや面白いんですよこれ。最初から最後まで恐竜が暴れ回るため、読んでいて気が抜けませんし。ライオンや虎が恐竜に追い回されて喰われるシーンとか最高。
実際に展開の疾走感と、テンポの良さはかなりのものです。読者を退屈させない、という点では一級品でしょう。
なお、出版時期は『ジュラシック・パーク』より先だったりします。
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