読書録「夢幻紳士 幻想篇」

夢幻紳士 幻想篇夢幻紳士 幻想篇
高橋 葉介

早川書房 2005-04-08
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 高橋葉介のライフワークであるともいえる夢幻紳士シリーズ。冒険活劇から怪異譚、帝都東京から現代の小学校まで、夢幻魔実也の活躍する場は多彩ですが、本作は帝都東京(大正~太平洋戦争戦前あたりか?)が舞台となっています。
 内容は、連作短編型の正調幻想譚。夢見がちで線の細い青年「僕」が度々遭遇する奇怪な出来事。それらを「僕」に寄り添う黒い守護天使――夢幻魔実也の「影」が鮮やかに解決してゆくという趣向になっています。

 奇妙な事件の数々を経るにつれて、幾重にも病んでいた「僕」が静かに癒されていく過程は感動的。伏線も巧妙に仕組まれており、二転三転するトリックが仕掛けられています。ちょっとしたミステリの趣もあり、好印象。「僕」が出会う事件の多くが倒錯的であり、さかしまであるのは、終盤のどんでん返しを考えれば必然でありましょう。

 語り部としての「僕」と、文字通りの守護天使としての夢幻魔実也。一見すると同性愛的ですらある二人の関係は、終盤に近づくにつれて変容を見せます。
 ともすれば夢幻魔実也一人舞台と化してしまう傾向もある夢幻紳士シリーズですが、本作は二者の関係を複層的なものとすることにより、その難を免れ得ました。高橋葉介版「君の名は」であり、夢幻紳士シリーズでも屈指の名作といえましょう。

 水墨画のような印象すらある流麗な筆先、良質な怪異幻想譚、幕切れの鮮やかさと、怪奇党にはたまらない一冊です。


●WEB拍手レス

>毎度。きょーげつです。
>機神飛翔クリアしたようなので、手製の飛翔壁紙送っておきました。
>……いや、ホント面白かった。
>そして、アウレオールスも面白かった……ってーか、なんてとこで止めるんですか、あなたは。
>寸止めか? 寸止めなのか? 生殺しなのか?
>次回がえれぇ楽しみです。ではまた。

 壁紙いただきました。有り難うございます。
 アウレオールス、寸止めは定番かと。次回からはバトル開始の予定です。
 のんびりゆっくりお待ちください。

>小器用なヤンキーはお話の中ですか、しょんぼり
>…本当だったとしても、嫁と娘を想いながら死ぬのはいやですし、まぁ、いいか

 流石にあのヤンキーになると読んでいる人自体が少なそうですしね……
 好きですが。

投稿者: 日時: 2006年07月03日 18:54 Web拍手

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