Search
« ブレイド・オブ・アルカナ3rd簡易プレイレポート | メイン | ショートカット»
『美の死―ぼくの感傷的読書』(久世光彦/ちくま文庫)
『陛下』(久世光彦/新潮文庫)
『少女怪談』(東雅夫編/学研M文庫)
『マッド・サイエンティストの夢―理性のきしみ』(ディヴィット・J・スカル)
『美の死』以外は古本屋で購入。『マッド・サイエンティストの夢』は普通に買うとちょっと値がはるので助かりました。半額以下だもんなあ。
『美の死』は久世光彦が1990年代後半~2000年前後にかけて書いた書評や解説を集めたもの。吉村昭の『少女架刑』の解説文、感傷的な熱がこもっていて素晴らしい。探して読もう。
しかしこの人、いわゆる普通の書評はさっぱり面白くないですな。自分の世界に埋没して陶酔的、感傷的に語っている書評の方が断然出来が良い。
『陛下』。二・二六事件を背景にした恋愛物語。主人公の軍人、剣持梓と遊女である弓、そして「陛下」への思慕を軸とした甘美な恋愛譚……ではあるのですが、本質的には久世光彦が己の懐古的幻想を小説に託して語った作品のように思います。昭和天皇、失意の軍人を父に持つ青年、遊女、狂女、聖ニコライ堂の絵……久世随筆でお馴染みのモチーフがしとどに濡れた美文で綴られてゆきます。好きな人にはたまらないかと。
文庫カバー裏の紹介文も綺麗で◎。「陛下、金木犀の香りに包まれて、あなたに愛されたい……」
『少女怪談』は題名通り「少女」をテーマにした恐怖譚集。著者のラインナップも山尾悠子や小池真理子など、良質保証な人ばかりなので安心して読めます。村田基の美しくグロテスクな佳品『白い少女』と、山尾悠子の和製ジェントル・ゴースト・ストーリー『通夜の客』がお気に入り。
少女と怪談という組み合わせは抜群に相性がいいのか、収録作品以外にも名品が多いですね。ニトロプラス作品では最愛の『沙耶の唄』も優れた少女怪談だなあ、考えてみると。
『マッド・サイエンティストの夢』は、マッド・サイエンティスト幻想を通じた科学論・文化論。現在進行形で読んでいますが、マッド・サイエンティストたちのカタログとしても読めますね。資料としても良いのではないでしょうか。
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.gyosekian.net/mt-tb.cgi/323