2006年04月のアーカイブ

読書録「ハイデルランド英雄譚」

ブレイド・オブ・アルカナ The 3rd Edition リプレイ ハイデルランド英雄譚ブレイド・オブ・アルカナ The 3rd Edition リプレイ ハイデルランド英雄譚
菊池 たけし 稲葉 義明/F.E.A.R 田口 順子

エンターブレイン 2006-04-28
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 ブレイド・オブ・アルカナ3rd、待望の文庫リプレイ。菊池たけし「ディングレイの魔殻」と、稲葉義明「まことの騎士」の二作を収録しています。最近は文庫リプレイが定期的に出ているなあ。本当にいいことだ。

 さて、「ディングレイの魔殻」はいつものきくたけリプレイなので置いておくとして、本書の見所は「まことの騎士」でしょう。
 流石はシリアスリプレイの名手・稲葉義明。1040年、ハイデルランド併合戦争に伴って発生した小国の興亡を見事に書いています。
 滅亡を目前にした国を守り続ける気丈な姫君、ひょんな偶然から彼女を助けることになった騎士もどきの無頼漢、そして二人と手を結び一国の興亡に関わることとなった二人の騎士……といった構図。話の展開、人間関係、台詞回しなど良く練られており、小説寄りのリプレイですね(勿論編集はしていましょうが)。
 PCたち三人の配役も上手く、根っからの悪人ではない盗賊騎士、死に場所を求める忠義の騎士、最強と謳われながらも実は知性が武器の騎士と、三者三様の魅力を放っています。“忠義の騎士”バルバロッサの格好良さは特筆もの。
 1040年を舞台にした変則リプレイというプレイスタイルは、エピックプレイをする上での参考になりましょう。
 田口順子による挿絵も美麗の一言。TRPGゲーマーのみならず、ファンタジー好きは買って損無しですよ。


●今日の人間臨終図鑑

米経済学者、ガルブレイス氏が死去

『不確実性の時代』などの著作で知られ、一時代を築いた経済学者が亡くなりました。ご冥福をお祈りいたします。


●WEB拍手レス

>イカスぜ!

 イカれた展開を頑張ります!

投稿者: 日時: 18:49 | | コメント (0) | トラックバック (0)

オールナイト

 見てきましたよ、『立喰師列伝』と『押井守監督関連作品オールナイト上映イベント 蘇る伝説の立喰師たち』の押井守地獄コンボを。


『立喰師列伝』。
“月見の銀次”をもって嚆矢とする架空の存在『立喰師』の設定と、立喰師の存在そのものが語る時代の空気に思想、そして、立喰師たちが成し遂げた「戦後なるもの」への反抗を延延と描いた映画。怪作。
 全ての立喰師の始祖“月見の銀次”、戦後的な立喰テロリスト“けつねコロッケのお銀”、外食産業華やかなりし時代にただ己が胃袋のみで牛丼チェーンに戦いを挑んだ“牛丼の牛五郎”、インド人の姿をとり、ただひたすらにカレーを食べ続け、やがては自らを都市伝説として消えていった“中辛のサブ”……彼ら立喰師と時代との関わりが、山寺宏一の声で続けられる衒学的ナレーションにより明瞭に語られます。ある意味で、非常に理解しやすい作品。
 立喰師に関する歴史的証言や研究者による言及などを大量に捏造し、歴史的事実を混ぜて語る手法は見事の一言。語りは騙りであることを、文字と映像の両面から実践しています。個人的にはこの点だけでも見に行った甲斐があった。
 ボルヘスやレムの得意とした、証拠や証言の捏造による、批判的視点を取込んだ歴史の再構築を思い出します。ガルシア=マルケスや大江健三郎的な、偽史構築型伝奇作品としても見ることが出来るような。
 お勧め。


『蘇る伝説の立喰師たち』は

・『ヤットデタマン』#12 危うし!!ジュジャクの曲芸
・『逆転イッパツマン』#14 太平洋無着陸 気球横断
・『うる星やつら』#87 さよならの季節
・『うる星やつら』#122 必殺!立ち食いウォーズ!!
・『紅い眼鏡』(劇場作品)
・『機動警察パトレイバー』新OVA#10 その名はアムネジア
・『御先祖様万々歳!』最終話 胡蝶之夢

 という上映作品からしてお察しくださいとしか言えないわけですが、押井守のやっていることは昔から殆ど変っていないのが良く解ります。
 乾いた風景、空飛ぶ飛行機、衒学的な語り、そして脈絡もなく出現する立喰そば屋。特に『必殺!立ち食いウォーズ!!』は、うる星キャラと押井立喰師がひたすら大食い対決をするという、うる星やつらである必然性が欠片ほどもない素晴らしい作品でした。トークショーでも押井監督が話題に出していましたが、良く放送されたなあれ。『太平洋無着陸 気球横断』にしても、カムチャッカの荒野に何故か立喰いそば屋あるしな。
 あと深夜に『紅い眼鏡』を見たのは死ぬかと思った。その昔小太刀に見せて貰った時も衝撃的だったが、スクリーンで見るとまた違う趣が。「1995年夏。人々は溶けかけたアスファルトに おのが足跡を刻印しながら歩いていた――ひどく暑い」。

●今日の伝奇

「あやかしびと」PS2に移植(4/28の日記より)

「あやかしびと」は昨年度屈指の優れた伝奇アクションだっただけに楽しみです。新規シナリオと新規キャラはどうなるかなあ。

●WEB拍手レス

>俺の名はアッシュ!日用品係だ!
>靴紐がほどけてるぜと甲冑の騎士に向かって言うやつがやってきた!

 そして甲冑の騎士にアッパーパンチ!
 やっぱ最強ですあの日用品係。是非とも英霊になるべきだ。

投稿者: 日時: 17:35 | | コメント (0) | トラックバック (0)

インペリアルジェイド購入

異界戦記カオスフレア サプリメント インペリアルジェイド異界戦記カオスフレア サプリメント インペリアルジェイド
三輪 清宗 小太刀 右京

新紀元社 2006-04-27
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 八王子のまんが王に置いてあったので買ってきましたよ。
 読み込みとキャラ作成に走るので取りあえずご報告まで。詳細なレポは後日。
 しかし色々ネタ積み込みすぎで凄い密度だ。TRPGゲーマーは必携。

●WEB拍手レス

>何時も通りの楽しいアウレスオールの夜で御座いました。それにしてももしかして最後のシーンはあの「ドラキュラ紀元」のオマージュで御座いましょうか?

 お見事。元ネタはあのシーンです。
 ドラキュラ紀元は大好きな作品ですが、流石に絡められませんねー。

投稿者: 日時: 21:11 | | コメント (0) | トラックバック (0)

やっと更新

 予告より遅くなりましたが、第七話が仕上がりました。お待たせして申し訳ありませんでした。
 なおそれに伴い、用語辞典も更新。セイバーや闇男爵についての解説などを追加です。こちらも追々充実させていかないとなあ。
 ご意見ご感想ご指摘などいただけると幸いです。

 ところで、「異界戦記カオスフレア サプリメント インペリアルジェイド」がもう発売されているようですな。秋葉原で入手したとの報がちらほら。
 かなり詰め込んだ内容になっているようなので楽しみです。週末に買ってくるか。


●WEB拍手レス

>ぶしつけな質問で大変恐縮なのですが、永夜抄スコアボードに登録されている「YASU」さんと、こちらの「ヤス」さんは同一人物ですか?
>(スコアボード関連のリンク集で判断を迷っています。差し支えなければお答えいただければ幸いです)

 スコアボードのYASU氏と私は別人です。
 私、ぬるぽシューターなのでスコアボードにはとてもとても……


>>チェーンソーを陳列している逞しい男性店員の姿だけが、妙に印象的だった。
>来た! 間違いない。奴が来たんだ!!
>それからミスター・サムライはあの伝説のボクサー執事とガチでヤりあったあの人でしょうか? 有り難う。本当に有り難う。

 チェーソーな人は次回から本格的に登場予定です。
 ミスター・サムライは大体予想通りかと……


>いやあ、ぞくぞくしてきます。このじわじわ感がたまりません。初っ端から大変なことになってて士郎はすでに必死なのに、更に上、更に上と。しかもそれが性急ではないのが、ぞくぞくしてたまりません。絶賛応援中~

 有り難う御座います。凛とセイバーをどんどんピンチにさせようと思います。


>デッドライジングに夢はせる昨今。yasuさんはやりませぬか?

 デッドライジングというとX-BOX360でしたか。箱360は持っていないのですよね……

投稿者: 日時: 19:05 | | コメント (0) | トラックバック (0)

連作クロスオーバー「アウレオールスの夜に」第七話

結局

 週末はTRPG漬けでした。
 更新も滞りがちで色々お待たせしております。猛省。

●今日のUMA

未確認生物(UMA)展示会実現に向けて(WEB拍手より。有り難う御座います)

 これが実現したら何を差し置いても行きます。
 博物学展のようになってしまうが空想怪物のミイラもいいなあ……
 
●WEB拍手レス

>伝奇に関して該博なる知識、訪れるたび驚嘆しております。
>釈迦に説法だと思うのですが、自由国民社の『世界の奇書』、ものっそい面白かったで、これは是非とも!と思いまして。
>ではアウレオールスの続きwktkしながらまってます

世界の奇書・総解説』は名著ですね。思えば中学の時、あれを図書館で手にとったのが運の尽き……
 アウレオールスの続きは必ず……

>リーグオブ~のシリーズは最高にトンチキですから(褒め言葉)
>火星のジョン・カーターとプロヴィデンスの紳士ランドルフ・カーターが親戚だったりしますし
>週明けのキャプテンスーパーマーケット(違)を楽しみにしつつ……

 いや予想以上でした、リーグ。やりすぎだろう作者。だがそれがいい。
 スーパーマーケットはまだちょっとしか出てきませんが、後半では大暴れ(の予定)です。

>『魔大陸の鷹』が気に入られるなら、同じ作者の作品ですが、『帝都探偵物語』シリーズと『有翼騎士団』シリーズを読んでみてください。
>前者は、基本的には、大正の東京に西洋系の妖怪が襲来するというもので、後者は、オカルトな要素がほとんどありませんが、異国(日本)から来た侍がお姫様を守るために剣をふるうという物語です。
>前者は、光文社文庫で出てますし、後者は、新古書店なら売っていると思います。

『有翼騎士団』が気になったので買ってきました。
 読んでいますが、いや、これも素晴らしい。良い物をお勧めいただき有り難う御座います。少将の正体に爆笑。そうきたか。

投稿者: 日時: 00:43 | | コメント (0) | トラックバック (0)

進行中

 アウレオールスは週末か週明けには公開出来ると思います。お待たせして申し訳ありません。

『魔大陸の鷹』に続き『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』も読了。

 これはひどい(褒め言葉)。

 映画も相当なものだったがここまでやるとは思わなかったですよ。謎の生物を受け取りにモロー博士(画家のギュスターヴ・モローは従兄弟らしい)の島を尋ねるアラン・クオーターメインとミナ・ハーカー、パリで起きた謎の殺人事件を追う隠退したデュパン、ドクター・フー・マンチューvsジェイムス・モリアーティー、ロンドンを襲撃した火星人とハイド氏の一騎打ちなどなど、あまりにも夢見すぎな展開が満載。
 クロスオーバー好きは必読。


●WEB拍手レス

>>それから牛女ってのはあれでしたっけ?
>>「下半身が牛の女で、車で逃げても追いかけていって呪い殺す」とかそんな感じの……。
>>なんともうろ覚えです。

>「片輪車」とか「夜行さん」とかのバリエーションっぽいね。

 あ、成程。確かにそれらに近い。
 追ってくる何か、というのは定番だしなあ。


>つい最近、仕事場が変わってその近所にいわゆる「いわくつきの場」があるんですが、それが

 続き! 続き!(AA略)


>件、漫画なら『ぬーベー』と同時に『もっけ』のそれを思い出します。小松左京や内田百閒も小ネタとして使われていて、あれは良い件でした。
>『もっけ』といえば割合にと仄々とした絵柄ですが「とおりかぜ」の回はマジで怖かった。

 あの回は良かったですね。勿怪は「良い話」ばかりでないのが好印象です。

投稿者: 日時: 21:28 | | コメント (0) | トラックバック (0)

読書中

魔大陸の鷹 完全版」を読書中。こりゃ凄い、かつての冒険小説を思わせる痛快娯楽作ですよ。ジンギスカン=源義経、日本の超古代文明、オカルト・ドイツなどたまらないテーマも山盛り。読み終わったらちゃんと読書録書こう。


●今日の地球外生命体

地球外生命:米国で専用光学望遠鏡完成

 地球外知的生命体の痕跡発見専用の望遠鏡らしいです。SETIグッジョブ。
 批判もありましょうが、こういう試みは継続して欲しいですね。


●WEB拍手レス

>相も変わらず怪しげな知識ありがとうございます。
>そーいや、件というと地獄先生ぬーべーを思い出す。
>見開きで恐ろしい化け物が描かれていた物だから今でもはっきり思い出します。
>いや、あれは子供心に恐かった。
>それから牛女ってのはあれでしたっけ?
>「下半身が牛の女で、車で逃げても追いかけていって呪い殺す」とかそんな感じの……。
>なんともうろ覚えです。
>うろ覚え知識では追いかけられると死んでしまい、対処法が無いような気がしました。
>よろしければこちらについても解説していただければと。

>ぐわ。おもっきり「牛頭女身」書いてあった。
>勘違い確定。申し訳ない。

 む、勘違いだとしてもその妖怪は初耳ですね。ビジュアル的にかなり怖いですし。妖怪というより都市伝説っぽいなあ。
 何処かで似たような話を見かけたらお知らせ下さると幸いです。


>内田百閒の件は何とも言えない不可思議さが溢れる名作でした。あれに限らず百閒の小説は説明しにくい作品が多く大変魅力的で御座いました。……また「冥土・旅順」でも読もうと思いつつ、他に百閒のお勧めのものはありますでしょうか?

 百閒作品では矢張り『サラサーテの盤』でしょうか。あのすわりの悪い雰囲気が最高です。随筆なら『阿呆列車』シリーズかな。意識的な奇人、内田百閒の本領が発揮されています。


>4月17日のを読んで思い出したんですが魔伸映一郎さんの月姫アンソロの解説で奈須きのこさんが「ワラキアの夜」のモデルは「件」だと書いていました。

 それは初耳。情報有り難う御座います。
 確かに「ワラキアの夜」はいかにも件的ですね。噂によって顕現する現象というあたりが特に。

投稿者: 日時: 22:48 | | コメント (0) | トラックバック (0)

件について

 今回は文体を変えています。

 さて、件である。
 何がさてなのかというと、某所で牛の神が話題に出て盛り上がっていたからだ。つまり深い意味はない。

 牛の神性は古くから伝えられている。誰でも知っているミノタウロス伝説や、世界各地における牛信仰は勿論のこと。本邦の説話集にも、牛を題材としたものは少なくない。例えば、『栄花物語』巻二十五には夢の中に牛仏が現れお告げをしたという話があるし、牛の鳴き声が阿弥陀経と一致するという逸話が『古今著聞集』に見られる。牛に関するの異常報告というだけならば、『日本書紀』が最古のものであるようだ(もっともこれは、牛の奇形に関する話である)。
 そして、本邦において最も有名な牛の化生といえば、件であろう。

 件とは、人の顔に牛の身体を持つとされる妖怪だ。その伝承は主に、中国地方~九州地方にかけて分布している。
 災害、疫病、豊作、飢饉などを予言し、社会に異変が起こる時に出現する。その予言は絶対に外れることがなく、件は予言をして数日で死ぬと云う。

 天保七年――余談だが、幕末三舟の一人である山岡鉄舟はこの年に生まれている――の瓦版では既に、丹後の国に出現したという件の絵姿を見ることが出来る。瓦版によれば、宝永二年の十二月にも出現が記録されている。
 また、慶応三年四月には雲州(今で言う島根県)の在方にも件が生まれ、豊作と疫病の流行を予言したと云う。葛飾北斎にも「くだんうしがふち」という作品があり、少なくとも江戸時代後期にはメジャーな存在だったことが伺える(事実、「依って件の如し」という言い回しは当時から一般的に使われていたようだ)。

 衝撃的なのは『名古屋新聞』明治四十二年六月二十一日号に掲載された記事だろう。

「人面獣心といふことはあるが、これは人面牛態だ、今より十年前肥前国五島の奥島の或る百姓家の飼牛が産んだもので、今は剥製になつて長崎市の八尋博物館に陳列されてゐる、
何でも生後三十一日目に「明治三十七年には日本は露西亞と戦争をする」と云うて死んだのださうな、件だけに豫言が的中してゐる、それで本富に依つて件の如しだ」

 との文章と共に、件の剥製を撮影した写真が確認できる。この写真がなかなかに迫力なので『明治妖怪新聞』などでご覧いただきたい。虚ろな目が怖い逸品である。なおこの本、アマゾンでは評価が低いが資料としては優秀なので、怪異愛好家の方にはお勧めだ。
 残念ながら、件の剥製は散逸している。なお、2004年に開催された「」でも件のミイラが展示されていたのでそれを御覧になった方もいらっしゃるのではなかろうか。

 第二次世界大戦中にも、悪病の流行や、戦争と疫病で国民の大半が死ぬという風説が、件の予言として流れたと云う。
 戦後、件が公に出現したという記録はない(不勉強にして私が知らないだけかもしれない)。
 だが、90年代に入ってからは、「牛の頭をした女に追いかけられた」という都市伝説や、『新耳袋』に収録された「牛女」に関する話など、件を想起させる伝聞が増えた。興味深いのは、ここでは件が牛面人身になっていることだ。小松左京の名作『くだんのはは』の影響だろうか。最も、牛頭女身たる「牛女」の伝承は戦前からあるようなので、何とも云えないが。

 人と牛のハーフという姿や予言を伝える獣という魅力的なモチーフを持つためか、件を扱った作品も見受けられる。
 明治以降の文学で、はじめて本格的に件を主題とした、内田百閒の夢幻的な短編『件』。先ほども挙げた『くだんのはは』。小松左京の『牛の首』も似た性質の作品だろう。岩井志麻子の『依って件の如し』は作者得意の土俗的雰囲気と語り口が上手く融合した良作だった。

 ところで、神戸の「牛女」や『くだんのはは』の件には、怨念や祟りの影が付きまとう。妖怪としての件は完全な予言獣であり、そのようなものとは縁遠いにも関わらず、だ。
 そういえば、「牛女」と『くだんのはは』。どちらも牛頭女身である。矢張り牛頭人身である牛頭天皇が祟り神であることと何か関係があるのだろうか。
 想像をたくましくすれば、それらの存在が女身であり、即ち神託を受ける巫女であるとも思える。これは妄想。
 中国の神獣・白澤と件の関係性も興味深い。もうしばらく資料を当たってみたいテーマである。

投稿者: 日時: 22:00 | | コメント (3) | トラックバック (0)

読書録:最近の査収本

美の死―ぼくの感傷的読書』(久世光彦/ちくま文庫)
陛下』(久世光彦/新潮文庫)
少女怪談』(東雅夫編/学研M文庫)
マッド・サイエンティストの夢―理性のきしみ』(ディヴィット・J・スカル)


『美の死』以外は古本屋で購入。『マッド・サイエンティストの夢』は普通に買うとちょっと値がはるので助かりました。半額以下だもんなあ。

『美の死』は久世光彦が1990年代後半~2000年前後にかけて書いた書評や解説を集めたもの。吉村昭の『少女架刑』の解説文、感傷的な熱がこもっていて素晴らしい。探して読もう。
 しかしこの人、いわゆる普通の書評はさっぱり面白くないですな。自分の世界に埋没して陶酔的、感傷的に語っている書評の方が断然出来が良い。

『陛下』。二・二六事件を背景にした恋愛物語。主人公の軍人、剣持梓と遊女である弓、そして「陛下」への思慕を軸とした甘美な恋愛譚……ではあるのですが、本質的には久世光彦が己の懐古的幻想を小説に託して語った作品のように思います。昭和天皇、失意の軍人を父に持つ青年、遊女、狂女、聖ニコライ堂の絵……久世随筆でお馴染みのモチーフがしとどに濡れた美文で綴られてゆきます。好きな人にはたまらないかと。
 文庫カバー裏の紹介文も綺麗で◎。「陛下、金木犀の香りに包まれて、あなたに愛されたい……」

『少女怪談』は題名通り「少女」をテーマにした恐怖譚集。著者のラインナップも山尾悠子や小池真理子など、良質保証な人ばかりなので安心して読めます。村田基の美しくグロテスクな佳品『白い少女』と、山尾悠子の和製ジェントル・ゴースト・ストーリー『通夜の客』がお気に入り。
 少女と怪談という組み合わせは抜群に相性がいいのか、収録作品以外にも名品が多いですね。ニトロプラス作品では最愛の『沙耶の唄』も優れた少女怪談だなあ、考えてみると。

『マッド・サイエンティストの夢』は、マッド・サイエンティスト幻想を通じた科学論・文化論。現在進行形で読んでいますが、マッド・サイエンティストたちのカタログとしても読めますね。資料としても良いのではないでしょうか。

投稿者: 日時: 18:36 | | コメント (0) | トラックバック (0)

ブレイド・オブ・アルカナ3rd簡易プレイレポート

 先日の日曜日に『ブレイド・オブ・アルカナ The 3rd Edition』をプレイしてきたので軽くレポートを。

 シナリオは自作『フランデルンの嵐』前後編。GMは私でした。
『フランデルンの嵐』のハンドアウト類はこちらを参照してください。
 なお、またプレイする予定があるため、内容にはあまり触れない方向でのレポートとなります。


■PCたち

●シナリオ1:1065年

▼PC1
“Blue Knight”カッツ(アングルス=グラディウス=コロナ/19歳/男)

 PLはNATRONさん。
 ツェルコン戦役により滅ぼされた亡国の王子。王位継承権第一位の兄を探しつつ、傭兵団を率いる若き騎士。
 生真面目で融通がきかないが、配下の荒くれ共には慕われており、その傭兵団は固い結束を誇る。国の再興が目的。
 今回のゲストであるカミラ・ボールシャイトとは良き相棒。

▼PC2
ドクトル・スティンバルト(アングルス=デクストラ=マーテル/60歳/男)

 PLはKouさん。
 ハイデルランド全土に平和をもたらすべく、大頭脳ゲヒルンの開発に全精力を注ぐ老デクストラ。一般にゲヒルンを開発されたとされるゲンスフライシュは、彼の作品にして助手らしい。
 科学万能の理想に燃える狂的科学者。
「安心したまえ、ゲヒルンは安全だよ。暴走の危険など万に一つも……そう、万に一つもない!」

▼PC3
レナーテ=シュローダー(アルドール=アダマス=アダマス/17歳/女)

 PLはtovetaさん。
 かのゲオルグ=シュローダー伯の姪にあたる、ガイリング二世に仕える若き少女騎士。ざっくりとした短髪に、男勝りの気概を備えた気丈な少女。カッツに対してはツンケンした態度を取る一方、スティンバルトを「先生」と仰ぐ。騙されてるぞ。

▼シナリオ一口メモ

 亡国の再興を巡る攻防の物語。1065年、覇王ガイリング絶頂期という時代背景もあり、ブレダの内患に立ち向かうという構図になった。


●シナリオ2:1070年

▼PC1
“青い死神”カレスティア・カバニーリェフ(グラディウス=コロナ=アルドール/24歳/男)

 PLはNATRONさん。
 カッツの五年後の姿。カミラと別れ、傭兵団もほぼ全滅し、全ての希望を失った折れた剣。戦場から戦場に流れるだけの荒んだ生活を送っている。
 本編は結果的に彼が失われたものを取り戻し、喪失から立ち上がるまでの物語となった。名実共に今回の主役。

▼PC2
グロース・エンゲル(クレアータ=デクストラ=マーテル/0歳/男)

 PLはKouさん。
 ゲヒルンの暴走に心を痛め、ゲヒルン型二号機、グロース・エンゲルに己が頭脳を移植したドクトル・スティンバルトの姿。外見はロボット刑事。
 素性を隠し、ゲヒルンを破壊する方法を得るためにハイデルランドを彷徨う。グロース・エンゲルがこのようなキャラだとは誰が想像したろう。
 特撮ネタ満載。別名一人スーパー石ノ森大戦。
「鉄の悪魔を叩いて砕く。私がやらねば誰がやる!」
「自ら生み出したあれとともに死す、今更何のためらいがあろうか!」

▼PC3
レナーテ=シュローダー(アダマス=アダマス=グラディウス/22歳/女)

 PLはtovetaさん。
 ブレダ王国の中で着実にその足場を固め、今や一端の騎士となったかつての少女。髪を伸ばし、美しく育ち、精神的にも落ち着きを備えた。濡竜将にも任命されており、ガイリング旗下の期待の星である。
 PC1であるカッツを精神的に励まし、影から支える役割。文句なしに正当派ヒロイン。ツンツンしていた少女騎士が落ち着いた美貌の女性騎士になるという構図は素晴らしい。

▼シナリオ一口メモ

 1065年のシナリオで新たに発生した因縁に片を付ける展開。前編でPC間の関係性を構築出来ていたので話がスムーズに進み、会話にも奥深さが出ます。このあたりがエピックプレイの良いところ。
 袂を分かつこととなったカッツとカミラの物語を演出しきれなかったのが心残りでした。もうちょっと外連をきかせてもよかったかもなあ。昔を懐かしむ会話をもう少し「それっぽい」舞台にしてみるか。廃城とか寝室とか。
 あと「殺人ゲヒルン光線」は本当にどうかと思った。

■感想

 エピックプレイの面白さは特筆もの。
 ルールブックに記されている事柄だけでも十二分に、歴史の流れを追体験するという喜びが味わえます。今回ならシナリオ1、第二次北征に出立するガイリングとPCの会話などにそれが顕著。このルールは是非とも採用すべきです。キャラの関係性の移り変わりなど、大河歴史小説を読んでいるような楽しさがあります。

 今回はPLの皆さんが友人知人でも指折りの上手い人ばかりだったので安心してマスタリング出来ました。そのおかげもあってセッションは大成功。楽しんでいただけたようで幸いです。
 PCも魅力的だったしなあ。特にKouさんのグロース・エンゲルは素晴らしすぎた。まさかオープニングで本当に大鉄人17を再現してくれるとは。それがブレカナ世界に妙にマッチしているあたり素晴らしい。
 NATさんのカッツの騎士物語的な格好良さ、tovetaさんのレナーテの変遷も心地良い。レナーテはtovetaさんのヒロイン力爆発でしたな。後半のカッツとの会話は最高でした。フレア飛び交いまくり(ゲーム違います)。

 結論:素晴らしく楽しいセッションでした。また遊びましょう。


●WEB拍手レス

>ブレカナ3rdを購入されたのですね。
>どんなリプレイをされるのか凄く楽しみです。
>された後でどんなリプレイになったのか、ぜひとも知りたいのですが……。

 簡単なレポートとハンドアウトをアップしたのでご覧下さいませ。

投稿者: 日時: 23:24 | | コメント (0) | トラックバック (0)

何とか復旧

 どうやらレンタル先であるXREAで、ドメインに関する法的問題が発生したようです。
 独自ドメイン借りておいて良かった……結局何やかんやで昨夜からの時間は殆ど潰れてしまいましたが。
 早めに問題解決してくれると良いのですが。

●WEB拍手レス

>WEB拍手がメインサイトと同じ窓で開くようになったのですね。
>個人的には別窓のほうが…(えええ

>WEB拍手もどっとーるー!
>いやあの本当たすかります。巫女画像とか用意できなくてほんとすいません(えっ

 は、ご指摘有り難う御座いました。修正いたしました。
 巫女画像はこれ以上増えるともう大変なことに。

投稿者: 日時: 14:17 | | コメント (0) | トラックバック (0)

現在

 Movable Typeのアップデートとデータベース形式変更に伴い、当サイトの表示に多大な支障が出ております。
 大変お手数ですが、修復まで今しばしお待ち下さい。

※追記
 リンク以外は大体復旧しました。表示の不都合などありましたらお知らせ下さると幸いです。
 しかしここ最近CGIが重い……

投稿者: 日時: 23:04 | | コメント (0) | トラックバック (0)

読書録「ホームズのヴィクトリア朝ロンドン案内」

ホームズのヴィクトリア朝ロンドン案内ホームズのヴィクトリア朝ロンドン案内
小林 司 東山 あかね

新潮社 1993-03
売り上げランキング : 160,062

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 タイトルの通り、ホームズの活躍したロンドンの景観を、ヴィクトリア朝倫敦の写真と現在のロンドンの写真とを対比させることによって追ってゆく本です。言わずと知れたベイカー街221B、ワグナーのオペラをみにいったロイヤル・オペラ・ハウス、ワトスンとの運命的な出会いを果たしたセント・バーソロミュー病院etcetc……ホームズ物語の上で重要な場所はほぼ網羅されていると言って良いでしょう。

 写真は非常に豊富で、眺めているだけでも楽しめます。『海軍条約文章事件』の舞台になった外務省の変わりない姿や、『赤毛連盟』が存在したフリート街などを見ると、ロンドンという都市がいかに伝統を大事にするか、その一端が解る気がしますね。良否はともかく、変化を続ける我らが首都東京とは正反対です(もっとも、私はその有為転変故に東京という街を愛して止みませんが)。

 実はSSを書くための資料として買ったのですが、予想以上の良書でした。寝転がって観光気分に浸るにも最適です。

 ロンドン全体をAコースからHコースに区分しているため、手軽な観光案内としても使えます。特に、ホームズを尋ねるロンドン旅行などを企画する場合には必須の資料でしょう。

投稿者: 日時: 14:59 | | コメント (0) | トラックバック (0)

狂的学者

●今日のマッドサイエンティスト

Wikipedia「マッドサイエンティスト」

 素晴らしい充実度
 ウィキペディアはこういうのがあるからやめられません。
 特に実在のマッドサイエンティストとしてエドワード・テラーがいるのが素晴らしい。解ってるな編者。あの人はガチだからなあ……

関連書籍:
マッド・サイエンティストの夢―理性のきしみ

 思わず注文してしまいました。楽しみです。

投稿者: 日時: 22:35 | | コメント (0) | トラックバック (0)

どうにもこうにも

 頭がすっきりしませぬ。花粉と春の陽気め。
 申し訳御座いませんが、更新はもう少しだけお待ち下さい。お手数おかけいたします。

●今日のミステリ

フリースタイル社の近刊は、都筑道夫『ポケミス全解説』本棚の中の骸骨より)

 ……また凄いのが出ますね。ミステリ作家としては大御所である、都筑道夫氏のポケミス解説を全て収録したもののようです。これだけで本になる分量の解説を書いてきたのは凄いな。
 資料的にも価値がありそうですな。

投稿者: 日時: 15:21 | | コメント (0) | トラックバック (0)