読書録「真夜中のデッド・リミット」

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<あらすじ>

 アメリカ・メリーランド州山中。その地下深くには、核ミサイル単独発射機能を持つ軍事基地があった。
 その基地が、謎の集団に占拠された。一端核ミサイルがソ連へと発射されれば、第三次世界大戦が勃発し世界は終末を迎えるだろう。
 発射阻止のためには、基地へと侵入するしかない。管制官が命をかけて守ったミサイル発射キーを敵が手にするまでは18時間。歴戦の勇将プラー大佐率いる特殊部隊デルタ・フォースは、決死の戦いに臨むこととなる。




 凄まじく面白い

 軍事サスペンス小説の傑作です。1人~複数人のスーパーマン型兵士が敵の陣地に潜入して大暴れする冒険小説とはひと味もふた味も違う、文字通りの戦争小説。味方側の最終的な犠牲者が三桁を超えているところなど驚くべきです。犠牲者数が圧倒的に、味方>敵なんだもんなあ。
 
 英雄劇ではなく群像劇であり、登場人物も多数。
 難攻不落の要塞に挑むデルタ・フォース、廃鉱から基地に潜入しようとするトンネル・ネズミたち、基地を守るプロテクトを解除しようと知力の限りを尽くす研究者……たった一人のスーパーヒーローではなく、高い誇りを持つプロ中のプロたちが、自分たちの領域で難題を解決しようと死力を尽くし続ける展開は感動的ですらあります。

 基地突入作戦を多方面から書いているため、ボリュームの割に読みやすいのが好印象。戦場、廃鉱、基地周辺と、時間軸に沿ってシーンがさくさくと変ります。それらの舞台一つ一つに、並の小説を優に仕上げられそうなサスペンスが盛り込まれているのだからこたえられない。最後の最後まで、息つく暇がありません。

 きびきびしたテンポの良い文体も心地良いです。ハンター一流の文体もさることながら、訳者である染田屋氏の功績も大でしょう。

 ハンターといえば「極大射程」が有名ですが、本作も負けず劣らずの出来。是非ご一読を。

投稿者: 日時: 2006年02月23日 18:10 Web拍手

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