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![]() | 戦争の日本近現代史―東大式レッスン!征韓論から太平洋戦争まで 加藤 陽子 講談社 2002-03 売り上げランキング : 17,752 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
良書です。ここ数年で出版された日本近代史を題材とした新書でも有数の出来でしょう。
全九講から成り、それぞれ「軍備拡張論はいかにして受け入れられたか」や「日本にとって朝鮮半島はなぜ重要だったか」といった副題が付けられています。各講では、それぞれの副題に対応した時代の歴史の流れをおさえ、そのうえで副題に対する、非常に筋の通った解答を与えています。
例えば、明治初期の征韓論・対外拡張論は一般に、士族の内乱を防ぐために対外侵略をガス抜きとして使用したとされています。ですが著者は、当時征韓論が幅をきかせた理由として、「(欺瞞に満ちた明治維新の結果により)正理真道から遠く離れてしまった日本を、名分論によってどうにか救うにはどうしたらよいかという、むしろ、自己本位な動機からきていました」と述べます。
この解答へ至る論理の展開は理路整然としており、読んでいて快感ですらあります。歴史的な背景と多数の資料により、感情論や印象論に流されずに緻密な論理を展開する著者のやり方は心地良い知的刺激を与えてくれます。もう一度歴史を勉強したくなること請け合い。
各章末には参考文献が記されているため、各講の主題をより深く調べたい場合に便利です。このあたりは心遣いは流石。
冒頭で著者は
為政者や国民が、いかなる歴史的経緯と論理の筋道によって、「だから戦争にうったえなければならない」、あるいは、「だから戦争はやむをえない」という感覚までをも、もつようになったのか、そういった国民の視覚や観点や感覚をかたちづくった論理とは何なのか、という切り口から、日本の近代を振り返ってみようというのが、本書(講義)の主題となります(pp. 8-9)
と述べています。
この試みはほぼ成功していると言って良いでしょう。自信を持ってお勧めできます。
それにしても「東大式レッスン」とかいう安い副題はどうにかならなかったのでしょうか。加藤陽子氏自らが「書いた本人さえ何度見ても顔が赤らむ副題」と仰っているので編集部の意向だとは思うのですが。
関連リンク
日本史近代を楽しむ野島研究室のページ(著者、加藤陽子氏のホームページ)
●今日の修羅の刻
美麗で格好良い葉月がトップに。
こうやってみると姫カットに結わいた髪と、破壊力あるなあ。
●WEB拍手レス
>六条御息所って、場合によっては人外属性つきますよね。生霊
思いっきり生き霊になりますからなあ。
貴人、年上、未亡人、嫉妬深い、人外。詰め込みすぎだろ。
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このリストは、次のエントリーを参照しています: 読書録「戦争の日本近現代史」:
» 書評70:加藤陽子『戦争の日本近現代史』
from 読書のあしあと
=== 書評70 加藤陽子 ===
= 『戦争の日本近現代史──東大式レッスン! 征韓論から太平洋戦争まで』 =
=== (講談社現代新書、2002年... [詳しくはこちら]
トラックバック時刻: 2007年08月26日 02:53
初めまして、加藤陽子で検索して辿り着きました。
おっしゃる通り、この本はサブタイトルで点数をかなり落としている、損な本だと思います。
内容は決して悪くないのですが…。
トラバさせてくださいね。
投稿者 大三元 | 2007年08月26日 02:51
はじめまして。TB有り難うございます。
このサブタイトルでは安いハウツーもののようです……実に勿体ない。
加藤陽子氏の著作はどれも良質なので、もっと広まって欲しいですね。
投稿者 ヤス | 2007年08月27日 22:38