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2006年02月のアーカイブ
小説類に手をつけておりません。
次は何を読もうかなあ。濫読している冒険小説類は最近面白さに目覚めたため、未読の名作・定番作品が山ほどあるので楽しみです。
そういえばハギンズの「凶獣リヴァイアサン」が近所のブックオフにあったような。次はあれにしよう。
なお、ハギンズ作品でしたら「極北のハンター」がお勧めです。
資産家であり、自然を知り尽くした超A級のプロフェッショナルである男、ハンターとアラスカに出現した正体不明の怪物との戦いを書いた、手に汗握る冒険小説。
怪物の正体といい、疾走感のあるプロットといい、良い意味で「お約束」を踏襲した良作です。未読の方は是非。
●今日のARIA
い、違和感無い……! 特に藍華が。
しかしこの配役だと藤ねえがアリシアさんになってしまいそうで大変だ。あとアリア社長はどうすれば。
書いております。
6話で<新宿>篇はとりあえず終わり、7話から倫敦篇に突入予定。
●今日の薔薇乙女二次元ドリーム文庫
■ゴスロリ生徒会―紅薔薇の悦宴が凄いらしい(2/27付け参照)
いやこれはどうなんだろう。
本当にそのまんまですな……お姉ちゃん銀様はちょっといいかもしれませんが。
内容はストーリー無し、ひたすらエロ系らしいのでお好みの方は手にとってみてはいかがでしょう。
●今日のミステリー
定番があがってますね。
リンク先に名前が無く、なおかつ大メジャー以外で「これは読んでおけ」というとそうだなあ……
ひとこと:粗はありますが絶妙なトリック。読書録はこちら。
ひとこと:机上論理の定番。最近富士ミスで出た「遠く6マイルの彼女」のタイトル元はこれでしょうね。
ひとこと:名手の手になる傑作短編集。もう真っ黒。
ひとこと:決して傑作ではありませんが大好きなので。
ひとこと:読者なめんな。いや好きですが。
etcetc……正直ミステリーを列挙していくとキリがないですね。
私も読んでいないのは結構あるなあ。何かお勧めあれば教えてください。
●WEB拍手レス
>元ネタはかぶいて候の秀忠と成貞の会話が前半、弥五郎と成貞の会話が後半部分ですね。
>かぶいて候と死ぬことを見つけたりは未完なのが悔やまれます。
>かぶいて候はとくにこれからかぶいていくところで終わっているところが悔やまれてなりません。
おお、お見事。その通りです。
かぶいて候、死ぬことと見つけたり、花と火の帝、見知らぬ海へ……隆先生の未完作品は本当に惜しまれますね。続き読みたい……
昨日はTPRG仲間であるはたはたさんを祝う会に行ってきたので延延飲んでゲームやっておりました。
改めておめでとう御座います(私信) >はたさん
流石に徹夜ゲームがこたえるようになってきたのにしょんぼり。昔は友人のところに泊まり込みで延延プレイしたものですが……そういや小太刀のとこで徹夜キャンペーンもやったな。あれは面白かった。
●今日の映画
全力で吹きました。
い、意外な……
抜擢した人は先見の明があったというか何というか。いや、好きですけどね、ザ・フライ2。今なら1,000円切ってる廉価版が出ているのでお好きな方はどうぞ。
●WEB拍手レス
>「(ry」で済ますのならば俺が言おう。
>「だが、それがいい」
>通りすがりは気持ちの良い笑顔を浮かべ、心底晴れやかな気持ちで言った。
にぃ、と通りすがりが気持ちよい笑みを浮かべた、
ただ、それだけである。
ただそれだけの笑みが、やけに心地良かった。
たまらぬWEB拍手であった。
……間違えた、これは夢枕獏だ。
Fate篇、クライマックスの柳洞寺への出撃前の会話を捏造。
隆慶一郎風味でお送りします。
▲▽▲▽▲▽
「手はあるかね」
宝具も通用せず、エアを防ぐ手段もないなら、セイバーはどうやってギルガメッシュを倒すつもりなのか。
セイバーがちかりと眼を光らせた。この会話がはじまって以来、セイバーが一瞬たりとも躊躇の色を見せたのはこれがはじめてだった。
何かとんでもないことを云うつもりだと士郎は直感した。
「私は騎士です。ならば、主のために剣を振るうのが務めでしょう」
沈黙がきた。
驚愕で口がきけなかったという方が正しい。これはギルガメッシュと正面から斬り合って倒すということである。不可能と云えた。
「き、斬るかね」
さしもの士郎が唸った。
「斬ります」
セイバーの答えは明快そのものだった。
「どこで」
「柳洞寺」
柳洞寺は聖杯戦争の源だ。ギルガメッシュと言峰綺礼が万全の用意をして待ち受けているはずだった。
「セイバーは死ぬぞ」
うっかりといえどギルガメッシュは英雄王である。セイバーだけでは王の財宝にかなわぬことはわかりきっていた。
「宝具を使います。ギルガメッシュはエクスカリバー以外の宝具を知りません。そこが付け目です」
淡淡とした声だった。そこには何の気負いも無かった。
流石に士郎は戦場往来のいくさ人だった。セイバーが既にしびとであることを即座に見て取った。
守るべきものがある人間が強いというのは嘘である。セイバーは「いくさ人」であり、「いくさ人」は戦場では常にしびとである。しびとには過去もなく未来もない。目の前の敵を倒すことのみを考えればよい。ならば、生者がしびとを殺せるはずがあろうか。
こんな女を止められる道理が無かった。
柳洞寺は結界の中にある。一切の邪魔が入らない戦場と云えた。そして、ギルガメッシュは柳洞寺では一人である。マスターの言峰は裏庭で士郎を待ち受けているはずだ。
その柳洞寺でギルガメッシュが、この獅子のような女に狙われて生きて帰れるはずがなかった。
士郎は殆ど戦慄したと云って良い。
「宝具か」
「はい」
士郎は無性に楽しくなった。目の前にいるのは何ともいい女だった。死を受け入れることをものともしない潔さがあった。
「酒を呑むかね」
唐突に聞いた。セイバーは面食らったようだが、すぐに立ち直ってにやりと笑った。
「少々、と云いたいところですがかなり呑みます」
笑顔がよかった。正直なところもいい。
「藤ねえ、酒だ。樽で持ってこい」
手を打って叫ぶと真顔に戻って頷いた。
「いいな、宝具は」
本心からそう思っているような真摯な声だった。
▲▽▲▽▲▽
書いておいてなんだがどうなんだこれ。
だがそれが(ry
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アメリカ・メリーランド州山中。その地下深くには、核ミサイル単独発射機能を持つ軍事基地があった。
その基地が、謎の集団に占拠された。一端核ミサイルがソ連へと発射されれば、第三次世界大戦が勃発し世界は終末を迎えるだろう。
発射阻止のためには、基地へと侵入するしかない。管制官が命をかけて守ったミサイル発射キーを敵が手にするまでは18時間。歴戦の勇将プラー大佐率いる特殊部隊デルタ・フォースは、決死の戦いに臨むこととなる。
凄まじく面白い。
軍事サスペンス小説の傑作です。1人~複数人のスーパーマン型兵士が敵の陣地に潜入して大暴れする冒険小説とはひと味もふた味も違う、文字通りの戦争小説。味方側の最終的な犠牲者が三桁を超えているところなど驚くべきです。犠牲者数が圧倒的に、味方>敵なんだもんなあ。
英雄劇ではなく群像劇であり、登場人物も多数。
難攻不落の要塞に挑むデルタ・フォース、廃鉱から基地に潜入しようとするトンネル・ネズミたち、基地を守るプロテクトを解除しようと知力の限りを尽くす研究者……たった一人のスーパーヒーローではなく、高い誇りを持つプロ中のプロたちが、自分たちの領域で難題を解決しようと死力を尽くし続ける展開は感動的ですらあります。
基地突入作戦を多方面から書いているため、ボリュームの割に読みやすいのが好印象。戦場、廃鉱、基地周辺と、時間軸に沿ってシーンがさくさくと変ります。それらの舞台一つ一つに、並の小説を優に仕上げられそうなサスペンスが盛り込まれているのだからこたえられない。最後の最後まで、息つく暇がありません。
きびきびしたテンポの良い文体も心地良いです。ハンター一流の文体もさることながら、訳者である染田屋氏の功績も大でしょう。
ハンターといえば「極大射程」が有名ですが、本作も負けず劣らずの出来。是非ご一読を。
深夜まで動き回っていたせいか、まだヘロヘロで御座います。
いや、両日とも大変楽しかったのですが。皆様ありがとうございました。
ここ最近読んだ本でお勧めをあげておきますね。
タイトルはかためですがすらすらと読めます。宗教改革の概略を知るにも◎。
完全犯罪のお手本。身代金受け取りトリックは秀逸の一言。
久世光彦作品は初期~90年代半ばまでがお勧めです。
読書録は折を見て。
●WEB拍手レス
>慎二の すごい ツンデレ
慎二はツンデレだと思うんですよね、やっぱり。
講談社で時代小説フェアを開催しておりました。
良作傑作が無数にあったわけですが、今回はフェア開催作品でも一押しのこちら。
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戦国の世が終わり、太平の世と変りつつあった江戸時代初期。後水尾天皇は僅か16歳で即位された。
しかしこの当時、既に徳川幕府の力は天皇家を圧していた。
徳川家の圧力により、天皇は2代将軍秀忠の娘、和子を皇后とすることを余儀なくされる。
帝の味方は極僅か。少数の忠信たちと、鬼の子孫とされる八瀬童子の直系・岩介が率いる“天皇の隠密”たち。
しかし、後水尾天皇は史上最も気性が激しいとされた傑物だった。帝は権力に屈せず、自由を求めて、幕府の強大な権力と闘う決意をする
ある意味で隆慶一郎的大妄想が極点に達した傑作です。
本作のキーワードは“過剰”の一言に尽きます。
・プロットが過剰
・呪術も過剰
・何といっても登場人物造形が過剰
まずはプロットが過剰。
要約してみましょう。
「巨凶徳川秀忠率いる悪の巨大組織徳川家。その暴虐とすらいえる力は、公家社会を破滅の危機に追い込んでいた。誇りある公家社会――天皇家もこれまでか。誰もがそう思う中、二人の男が立ち上がる。朝鮮に渡り異能の力を身につけた超人・岩介。そして、江戸三百年間を通じて最も苛烈と云われた天皇・後水尾天皇。彼らは志を同じくする仲間を集め、徳川家に対し絶望的な抵抗戦を開始した」
誇張無しです。
全く恐ろしい。今まで天皇家(正義) vs 徳川家(巨悪)という構図を真剣に、しかも娯楽要素満載で書いた作家がいただろうか。
呪術についても同様です。
本作以前の隆慶一郎作品に登場する呪術といえば、せいぜいが、松永誠一郎シリーズ(吉原御免状とかくれさと苦界行のこと。本来は四部作の予定だった)にみられる過去視・未来視・予知能力程度でした。
ですが「花と火の帝」はひと味違う。
結界やテレキネシスは基本、読心術に心の壁、完全記憶に呪術返し、果てはテレポーテーションまでと、ほとんど超伝奇アクション小説の世界。
主人公である岩介からして作中最強クラスの術者のうえ、天皇を「日本最高の呪術者」としているという呪術尽くし。
柳生宗矩率いる裏柳生軍団が、岩介の呪術にこてんぱんにされるあたりは爆笑してしまいました。哀れ宗矩。
そして最後に人物造形。
岩介は豪放磊落でいつでも死ぬ覚悟が出来ている男の中の男な「いくさ人」とまあ、隆先生お馴染みの造形なんですが、主役である後水尾天皇が凄い。
華道茶道をはじめとした公家の作法に精通し、岩介手ずからの鍛錬により武芸の達人でもあり、さらには日本最高の呪術者でもあるという八面六臂キャラ。しかも隆先生的な「いい男」なので、言動が一々男らしすぎてたまりません。裂帛の気性と反骨精神、そして天から愛された運の強さを持つ天皇の言動は痛快このうえなし。
帝をはじめとする公家たちは、徳川に与する「いくさ人」たちと好対照を成しており、読ませます。
天皇家の敵となる面々も多種多様ですが、輝いているのは何といっても秀忠でしょう
そう、隆慶一郎作品を愛する方にはお馴染み、悪の帝王徳川秀忠です。
本作の秀忠の悪ぶりは実に素晴らしい。影武者徳川家康で見せた粘着的へたれぶりに匹敵する情けなさ + しつこさ。天皇の寵愛する女御に対する非道な仕打ちも相まって、完全無欠の悪役となっております。
隆先生の作品を読む度に思うのですが、先生は徳川家を愛しすぎです。そうでなければここまで徹底して悪役を割り振りませんよ。
他にも岩介の兄貴分にあたるインド人やら、無頼の修験者やら。まるっきりアンドロイドみたいな怪物まで出てきます。もうやりすぎ。
そして本作の陰の主役、柳生宗矩。
キングオブやられ役です。もうこてんぱん。可哀想なくらい良い所なし。影武者徳川家康の宗矩だってもうちょっと見せ場あるぞ。
主要作品ほぼ全てに登場し、その大半で悲惨なまでのやられ役を演じる宗矩。もしかしたら隆先生は宗矩が一番好きなのではないかと思わせる位です。好きな相手ほど意地悪したくなるというアレ。
是非とも石川賢に漫画化して貰いたい一品であります。どう考えても漫画雑誌には連載出来ないでしょうけど。
未完であることが心底悔やまれます。
●WEB拍手レス
>今回のお勧めの本はまた、ようございますなぁ。これにメディアファクトリーからの「怪談双書 怪談の学校」をつければ完璧であります。ところでやす様は漫画の「蟲師」はお読みでしょうか? あれも大変良いものです。
怪談の学校は昨日届きました。いや、あれはいいですね。収録作や添削された怪談もいいし、京極夏彦の序文も素晴らしい。「開校の辞」が一番怖かったりします。
蟲師も良作ですね。アニメも好評らしいので見てみようかと。
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1956年、ブダペストは動乱に揺れていた。
美貌の女、エヴァ・マレイターは生活のため、米国、独逸、ソ連、英国の男たちに1回ずつ身を売る。そして、それきりで稼業をやめにした。
二週間後。
エヴァは何とかして男たち四人を集め、告げた。
「私妊娠しました。中絶するつもりはありません。あなた達のうち誰かが父親よ」
困惑し驚愕する四人。しかも困ったことに、四人のうち三人はスパイ、残るソ連の男は特殊部隊の隊員だったのだ。
議論の末、四人はそれぞれ距離を置いてエヴァと子供を見守ることにする。
十四年の時が過ぎた。
国家間陰謀の最前線で活躍していた四人の前に、一通の手紙が届く。
差出人の名はイローナ。かつて彼らが父親となることを誓った少女。
やがて男たちはイローナに会うべく一堂に会する。
だが、時同じくしてイローナが何者かに誘拐された。
誰が? 何のために?
CIA。MI6。スペッツナズ。BND。各々に所属するプロフェッショナル四人は国家の利害を超えて手を組み、必死の追撃を開始する。
いやもう、作品の根幹をなすアイデアに脱帽です。
こんな突拍子もないプロットはそうそう思いつくもんじゃない。流石は名手クィネル(映画「マイ・ボディガード」の原作である「燃える男」で有名)。
あらすじにも書いた衝撃的な出だしの後、米ソ独英の男たち四人のスパイとしての活動や私生活が丹念に書かれます。
このため、読者は無理なく四人に感情移入して読み進めることが出来ます。四人が四人ともいい味出してるんだこれが。特にスペッツナズ所属のソ連軍人、ミハイル・セーロフの格好良さは必見。
何者がイローナを誘拐したのか?
何故、各国の凄腕を敵にまわしてまで誘拐を決行したのか?
フーダニットとホワイダニットが適度に組み合わされたミステリ的興味。さらに、プロフェッショナル四人の追跡や侵入といったアクション部分の面白さ。紛う事なき、一級のエンターテイメントです。
荒唐無稽な設定もリアルさを失っていません。クィネル特有の丹念に書き込まれた文章によるところ大でしょう。
一気読みを保証。
お勧めです。
●WEB拍手レス
>これは買いですね。
>いつもいいブツを紹介してくれて感謝の極みですな。
>楽しみだのう。
いや本当に楽しみです。
最近は怪奇幻想ものが好調で嬉しいですね。
今月刊行である厭魅の如き憑くものが物凄い気になっております。
ビーケーワンの内容紹介からして
憑き物筋の「黒の家」と「白の家」の対立、「神隠しに遭った」ように消える子供たち、生霊を見て憑かれたと病む少女、厭魅が出たと噂する村人たち、死んだ姉が還って来たと怯える妹、忌み山を侵し恐怖の体験をした少年、得体の知れぬ何かに尾けられる巫女――。
ですよ。
何かもう舞台といい装置といい「厭魅」という響きといい完璧。表紙の怪しさからしてたまらない
本格ミステリと民俗学ホラーの融合という点も心惹かれます。
なお、こちらで本文の出だしを読めます。
あー、もうこれは買う。絶対買う。
手記形式で「とある昭和の年」でこの文体。解ってるなあ。
発売が楽しみだ。
熱はないんですが頭はぐらぐらするわ全身が怠いわでもう。
風邪より花粉症かもしれんなー。
寒暖の差が激しいせいかそこかしこで似たような方を見かけます。皆様もお気をつけ下さい。
●今日の恐怖譚
■死ぬほど洒落にならない話まとめサイトに、2ちゃん版『東京伝説』が登場
まだpart1だけですが中々のクオリティ。
東京伝説シリーズはいわゆる「怖い話」ではなく、言動のズレや隣り合わせのちょっと違う光景をテーマにしているだけ、身につまされる怖さがあります。
現行スレにもコピペされている蝉の話は想像するだけで不気味だ……
まとめサイトでのお勧めは
あたりでしょうか。
怖いものが苦手な方はご注意を。
●WEB拍手レス
>リンク張らせてもらいましたー
>と、それだけ、それだけ……ですbyルドルフとトラ猫
有り難うございます。創想話の方では常々拝見しております。
ルドルフとトラ猫氏のサイトはこちら→あんこくせいうん端。
SS類がお勧めです。
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1936年シカゴ、イリノイ州。
駆け出しの詐欺師ジョニー・フッカー(ロバート・レッドフォード)は、その日も通行人から金を騙し取った。“すり替え”によって手に入れた金額を確かめてみると、なんと1万ドルを超える大金。
しかしその金は、ニューヨーク裏社会の大物ドイル・ロネガン傘下の組織のものだった。 師匠にあたる詐欺師ルーサーを殺され、フッカーも命からがら逃げ回る羽目となる。
ロネガンへの復讐を誓ったフッカー、ルーサーの旧友である伝説的詐欺師、ヘンリー・ゴンドーフ(ポール・ニューマン)を頼るが……
DVDが安くなっていたので購入。前から欲しかったのですよ、これ。
文句なしに面白いです。アカデミー賞七部門は伊達ではない。
1936年という舞台設定がまず秀逸。犯罪映画はどうしても外連味やえぐさが付きまといますが、大恐慌後のアメリカを舞台にした時代劇とすることで、テンポの良さと小粋さが際だっています。
俳優陣の演技も文句なし。
名優P・ニューマンの気の利いた伊達男ぶりには誰もがノックアウトされること請け合いです。個人的にはスナイダー刑事を演じたチャールズ・ダーニングがとても良かった。貫禄ありすぎて刑事というよりギャングの親玉みたいでしたが(見た感じちょっとアル・カポネっぽいし)。
とにかく登場人物が詐欺師、詐欺師、また詐欺師といった調子です。そのせいか、劇中劇を見ているようなシーンもそこかしこに。遊び心のある人にはこたえられない展開でしょう。
そして何といっても、デヴィッド・S・ウォードの練りに練られた脚本。
映画の頭から二段仕掛けの寸借詐欺、ゴンドーフとロネガンのイカサマポーカー戦、謎の殺し屋サリーノの正体に関するサスペンス、映画のメインとなる<有線>トリック……とまあ、そこらの作品数本分に匹敵するアイデアが惜しげもなく詰め込まれています。
二重三重に仕組まれたトリックの中で、それと気付かないうちに視聴者も「騙し」の構図に巻き込まれています。
いや、最後のアレは全く読めなかった。素晴らしい。
まさに騙し騙されの快感。
聞いたところによるとビデオで続編があるそうですが、そちらは未見。探してみようかと。
●今日の懐疑主義
良くぞ書いてくれました!
そうなんです、「研究者としての能力は、本を何冊売ったとかテレビでいいことを言ったとかでは測れません。論文の量と質で測定され」るんですよ。
少なくとも理系の学術分野では、これに例外はありません。いかにメディアでの露出が多かろうと、論文を出していなければ、それ相応として扱われます。
マスメディアの露出度や世間での知名度と、学者としての実力は全く比例関係にありません。
個人的に、河合隼雄が日本を代表する心理学者と考えられがちなのは問題だと思っていますので、この記事が広まってくれると嬉しいですね。
ちなみにPubMedで検索すると、養老孟司は全9件です。First Author(論文の代表執筆者)やLast Author(論文の責任者)となるともっと減りますな。
●今日のクロスオーバー
ここ数話盛り上がりを見せているゴジ月が更新。ペースも早く、見習いたいところ。
トップ絵が何ともいい感じです。ゴジラと姫アルクの組み合わせって意外といいな。
■OMEGA SECTORさんもDevil stay night更新
ダンテ大暴れ。
やっぱり格好良いなデビルハンターは。
今回はいつもの読書録とは少し趣向を変えて、羅列形式でいってみます。
容易に入手できて手頃に読めるものを、ということで、ここ最近読んだ新書に絞ってみました。
書名、出版社、お勧め度となっています。
お勧め度は記号で記しており、以下のようになっております。
◎:絶対お勧め ○:かなりお勧め
△:まあ興味が湧けば ×:お勧めできません
なお、このお勧め度は私見であることをご了承下さい。
・「ホラーハウス社会―法を犯した「少年」と「異常者」たち」(講談社プラスアルファ新書):◎
社会が少年犯罪者や精神疾患を持つ犯罪者を「怪物」として排斥するようになった過程と現状について鋭利、かつ得難い論理を展開しています。特に、終章の「地域が一体になった防犯活動がエンターテイメントとして浪費されている」という指摘は貴重。
ただ、その指摘に反発を覚える人は少なからずいるでしょう。また、統計的なデータを参考文献に頼らず、実際に記載したほうが良かったように思います。
・「超バカの壁」(新潮新書):×
養老孟司老いたり。
・「国家の品格」(新潮新書):×
感情的なお説教と理論的背景を持たない意見で国が良くなるなら苦労はありません。日本「論」と名乗るからには、主張に相応の根拠が必要でしょう。
・「使える新書―教養インストール編」「使える新書 21世紀の論点編」(WAVE出版):△
amazonでは不評ながら、紹介点数が多いため、相応に使えます。ただし、著者らが各章冒頭で述べている意見にはさして見るべき点がありません。また、「教養」や「論点」をうたっている割には、首を捻らざるを得ない文章が散見されます。
カタログ代わりと割り切るべきでしょう。
・「元禄御畳奉行の日記―尾張藩士の見た浮世」(中公新書):◎
古典的名著。元禄時代の尾張藩御畳奉行、朝日文左衛門の記録を編集したもの。元禄太平男とでも言うべき、文左衛門の生き方と記録から、華やかなだけではない元禄の姿が見えてきます。
古典とされるだけの魅力はあります。今回一番のお勧め。
・「ゲームとしての交渉」(丸善ライブラリー):○
多様な具体例と、歴史上の実例を用いて、様々な交渉の形態を分析記述した本。著者が現職の弁護士であり経験豊かな交渉家であるだけあり、記された交渉の実例には興味をそそられます。内容的にはゲーム理論の丁寧な解説ですね。
・「ローマ教皇とナチス」(文春新書):△
その有能さと徳で知られた教皇ピウス十二世――エウジェニオ・パチェリが、ナチスのユダヤ人迫害を知りながらも沈黙を保った理由を追う本。
残念ながら明確な答えは出せていません。また、最新の研究を利用していないという批判も散見されます。
概説書としては有用でしょう。
・「大江戸死体考―人斬り浅右衛門の時代」(平凡社新書):○
江戸時代の死体事情を皮切りに、据物切りの名手として知られた“人斬り浅右衛門”こと山田浅右衛門一族の歴史と周辺情報について概説しています。
語り口も砕けており、すらすら読めますね。手頃な一冊。
一月超えでの更新、申し訳ございません。
一通り片付いたので五話は出来るだけ早く書き上げる所存です、はい。
例により誤字脱字の指摘、ご意見ご感想などいただけると幸いです。
![]() | 戦争の日本近現代史―東大式レッスン!征韓論から太平洋戦争まで 加藤 陽子 講談社 2002-03 売り上げランキング : 17,752 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
良書です。ここ数年で出版された日本近代史を題材とした新書でも有数の出来でしょう。
全九講から成り、それぞれ「軍備拡張論はいかにして受け入れられたか」や「日本にとって朝鮮半島はなぜ重要だったか」といった副題が付けられています。各講では、それぞれの副題に対応した時代の歴史の流れをおさえ、そのうえで副題に対する、非常に筋の通った解答を与えています。
例えば、明治初期の征韓論・対外拡張論は一般に、士族の内乱を防ぐために対外侵略をガス抜きとして使用したとされています。ですが著者は、当時征韓論が幅をきかせた理由として、「(欺瞞に満ちた明治維新の結果により)正理真道から遠く離れてしまった日本を、名分論によってどうにか救うにはどうしたらよいかという、むしろ、自己本位な動機からきていました」と述べます。
この解答へ至る論理の展開は理路整然としており、読んでいて快感ですらあります。歴史的な背景と多数の資料により、感情論や印象論に流されずに緻密な論理を展開する著者のやり方は心地良い知的刺激を与えてくれます。もう一度歴史を勉強したくなること請け合い。
各章末には参考文献が記されているため、各講の主題をより深く調べたい場合に便利です。このあたりは心遣いは流石。
冒頭で著者は
為政者や国民が、いかなる歴史的経緯と論理の筋道によって、「だから戦争にうったえなければならない」、あるいは、「だから戦争はやむをえない」という感覚までをも、もつようになったのか、そういった国民の視覚や観点や感覚をかたちづくった論理とは何なのか、という切り口から、日本の近代を振り返ってみようというのが、本書(講義)の主題となります(pp. 8-9)
と述べています。
この試みはほぼ成功していると言って良いでしょう。自信を持ってお勧めできます。
それにしても「東大式レッスン」とかいう安い副題はどうにかならなかったのでしょうか。加藤陽子氏自らが「書いた本人さえ何度見ても顔が赤らむ副題」と仰っているので編集部の意向だとは思うのですが。
関連リンク
日本史近代を楽しむ野島研究室のページ(著者、加藤陽子氏のホームページ)
●今日の修羅の刻
美麗で格好良い葉月がトップに。
こうやってみると姫カットに結わいた髪と、破壊力あるなあ。
●WEB拍手レス
>六条御息所って、場合によっては人外属性つきますよね。生霊
思いっきり生き霊になりますからなあ。
貴人、年上、未亡人、嫉妬深い、人外。詰め込みすぎだろ。