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ふと思い立って日本伝奇について纏めたりしてます。
こうやってみると1990年代後半あたりからは伝奇ゲームが凄い勢いで増えてるんだなあ。80年代の超伝奇バイレンスを継承すると言わんばかりだ。
それはそうと、今日の読書録はこちら。
![]() | 心霊写真 不思議をめぐる事件史 小池 壮彦 宝島社 2005-06-15 売り上げランキング : 5,410 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
怪奇探偵こと小池壮彦の手になる、我が国の心霊写真の通史。タイトルからすると心霊写真を掲載しただけの怪しげな本に思えますが、小池壮彦がそんな凡庸な書物を記すわけがありません。著者自らが言うとおり、類例の無い通史であり、資料的にも高い価値を持ちます。
幕末日本に輸入されてきた写真は輸入直後は、魂が吸われるとして忌避されたものですが、明治維新の頃になると百を超える写真家が登場、人気役者のブロマイドにファンが殺到するという現象が見られます。
この頃から既に、「住職の後ろに女の影」といったような、いわゆる「心霊写真」は存在していたようです。その多くは散逸しているものの、著者は明治時代の資料を丹念に掘り起こしてきています。
この幕末~明治時代を起点とし、現在に至るまでに、「不思議な何かが映った写真」が、いわゆる「心霊写真」へと如何にして変化してきたか通観したのが本書です。
「幽霊らしきものが映った写真」が「幽霊写真」へ、「幽霊写真」が「念写」の衝撃を経て、「心霊写真」へと変遷してゆく流れを丁寧に追っており、興味深い点が多々。
中でも、刺激的なのが、元々「心霊」という言葉は人を超えた何者か――「神靈」であったということでしょうか。「心霊」が「神靈」を侵食してゆく過程には強い興味をそそられます。
日本心霊写真史を彩った人々についても触れられており、かの出口王仁三郎、福来友吉らも登場。
かなり細かい分野まで突っ込んで調べており、そこかしこに興味深い知見が散見されます。工学博士にトンデモさんが多いのは、戦後の電気工学の後藤以紀(東京大学教授、心霊科学の普及に尽力)の影響によるとは全く知らなかった。
特筆すべきは、徹底して一次資料に当たっていることでしょう。本文や巻末の参考文献を見ると、安易な伝聞に寄りかかって執筆したわけではないことが解り好感が持てます。明治時代の新聞なども一々調べているあたり、丁寧な仕事でありますな。こういうのが一番大事なんです。
また、只の通史に留まらず、終章、補章では直感的なきらいがありながらも鋭い考察を展開しています。
特に、
もはや私たちは、一定のフレームの外にあるものはおろか、さらにその外にあるものしか信用しなくなっている。言いかえると、そのような条件を備えている情報ならば、うっかり信用してしまうかもしれない。すなわち、既成の枠組みの外の外にあるものを、誰かが確信犯的に捏造すれば、それはすみやかに「事実」になりかねない。
という指摘は重く受け止めるべきでしょう。
元が新書ということもありややボリューム不足ですが、日本心霊写真史に残る著作です。オカルト好きのみならず、一読の価値あり。
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