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以下ダイジェストでお送りします。
ギルガメッシュが黒泥に呑まれるまで、桜はにこりともしないで見守っていた。
浮き沈みやがて消えた。
途端に桜の笑いが爆発した。聖杯が震えるような笑いだった。ライダーも笑った。ひっくり返るようにして笑った。英霊になって以来、こんなに笑い転げたことは一度もなかった。胸の中が空っぽになるほど笑った。この世も満更捨てたもんじゃない。笑いながらライダーはそう思った。
「英霊ってそんなに面白いの?」
唐突に、しかも真正面から訊かれてアーチャーはどぎまぎした。
「別に面白くなぞない」
「嘘ね」
凛の言葉は明快そのものだった。
「面白くない役割が、そんなに続けられるわけがないでしょ。なんで面白いのよ」
「さあ」
アーチャーも首をひねってしまう。確かに面白くない、というのは嘘である。だが何故面白いといわれても困る。ただ、悲惨な事件や凄惨な戦場を見ると、
(救ってやろうか)
反射的にそう思う。どんな場所であっても、反応は同じなのだ。
助けると感謝したり泣いて喜んだりする。救ったつもりでも無駄だったり、自分の所為にされたりする。そこがいい。勿論、自分もいつか報われもせずに消えるだろう。そこが益々もっていい。
ぼそぼそと喋りながらアーチャーは仰天していた。自分にこんなことを喋らせたのはこの少女がはじめてである。
(なんてマスターだ)
凛は辛そうな顔で沁々と聞き入っていたが、やがてぽつんと云った。
「肌黒すぎよ、あなた」
これはこたえた。アーチャーはそれこそ何十年ぶりに泣きたいような気持ちに襲われた。
「――うん、それじゃそういうのを抜きでしよ」
凛が悪戯っぽく笑って言った。
士郎の目の前が暗くなった。
気がついた時には凛を組み伏せ貫いていた。凛は士郎の胸の中で甘やかに呻いていた。
匂いたつような、何ともいい女だった。
……いや、やっぱり隆慶一郎文体は最高だ。
読んでる途中は物凄い感動するし引き込まれるんだが、一歩引いてみるともう何がなんだか解らないし。
だがそれがいい。
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