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さて、何とはなしにオーパーツについて語ってみます。
オーパーツの定義は「その時代・場所に存在した/作れたとは考えられない人工物」といったところでしょうか。
著名なものとしては黄金ジェット、コソの点火プラグ、水晶ドクロなど。で、今日はそれらと同じくらい有名なアカンバロの恐竜土偶について少し書いてみます。
1945年7月、メキシコはアカンバロという村で無数の土偶が発見されました。発見者は実業家ヴァルデマール・ユルスルート。なお、資料によってはヴァルデマール・ユルスルートが考古学者であったかのように記されていますが、実際は熱心な考古学ファンであり系統だった訓練を受けてはいません。ちなみに第一発見者であるティナヘロ(ヴァルデールの使用人)も同様です。
発掘された土偶はおよそ3万体にも及びました。何らかの生物を模したと思われるものから、楽器類を象ったらしきものまで、バリエーションも豊かだったようです。現在、これらの土偶は、アカンバロのヴァルデマール・ユルスルート博物館に保存されています。 さて、これらの土偶の中には、恐竜に類似しているもの――少なくともヴァルデールにはそう思われるもの――が含まれていました。驚いたヴァルデールは、ツテをたどって土偶3つに対し、C14炭素年代測定を行いました。
その結果、紀元前4530年、何1460年、同1110年のものであるという測定値が出たのです。また、後に熱ルミネッセンス法(熱ルミネッセンス法についてはこちらを参照)で測定を行ったところ、土偶は紀元前約2500年前のものとの結果が出ています。
これをもって「土偶の作成者は恐竜を実見していた」、つまり「恐竜は土偶作成当時まで生き残っており、古代の人々は恐竜と共に暮らしていた」との主張がなされることがあるのですが……さて、実際は如何に。
まず第一に興味深いのは、「恐竜」と称される土偶の形状です。肉食恐竜を象っているとされる土偶に特に顕著なのですが、土偶の姿が、発見当時想像されていた恐竜の姿と見事に一致しているのです。恐竜温血説が認められる前の、いわば「怪獣」的な姿ですな。今日の恐竜復元像に見られるような、尻尾を水平に保ったスマートで俊敏そうな印象は欠片もありません。
また、土中に埋もれていたはずなのに表面に土中塩分の付着が一切ない、土偶が出土している部分の土に埋め戻しの跡が見られるといったことも知られています。
肝心のC14年代測定法にしても、この場合は全くアテになりません。C14法で計測するのは、有機物中のC14の濃度です。原子量14の放射性炭素――C14は5730年で数が半減します。有機物中に残存しているC14の数と、現在の大気中のC14の数を比較すれば、何年前のものか解るわけですね。
土器についての年代測定を行う際には、土器から一緒に発掘される木片などを用いるのです。ところがアカンバロの恐竜土偶の場合、土偶そのものを破壞してC14年代測定にかけてしまっています。これでは土偶そのものの年代でなく、土偶の元となった土の中に含まれていた何らかの有機物質の年代を計ってしまいます。
これでは全く意味がありません。古い土を用いて土偶を作ったなら、紀元前のものだという値が出るのは当然なのですから。
また、熱ルミネッセンス法は土器そのものの年代を測る方法なのですが、土器が生焼けだと測定値が古く出る、測定のための基礎条件がかなり厳しい、基礎条件を守った上でも20%ほどの誤差が出るといった事実があります。アカンバロの恐竜土偶に対する熱ルミネッセンス法では基礎条件が守られたかどうかも定かでなく、信頼に足る結果とはとても言えません。
さらに、出土しているのはこのような土器群なのですが、恐竜以外のものも多数混ざっています。半獣半人の土偶も散見されますな。「恐竜(と見えないこともない)を象った土偶が発見されている」→「土偶が作成されていた当時恐竜は実在した!」がまかり通るなら、「獣人間を象った土偶が発見されている」→「当時は獣人間が実在した!」も通用してしまいます。
まあ、結論としては「そもそも恐竜土偶の真贋自体が疑わしい」と私は思っております。そもそもが偽物であれば、恐竜と人間の共存も何もありますまいて。
最後に。「恐竜土偶」と称されているものが恐竜にはとても見えない場合が多々あることも付記しておきます。
●今日の科学
これは中々大きな発見。鉄といえばヒッタイト、というのが定説でしたが、大幅な見直しが必要ですな、こりゃ。非常に面白い。
そういえば、鉄といえばニューデリーの「錆びない鉄柱」が有名です。
99.72%という高純度の錬鉄で形成されているため、酸化皮膜が形成されて錆びない、含まれているリンが鉄と結合してリン酸鉄をが作り出され表面を覆っているため錆びないなどの説があります。まあ、オーパーツなぞといったものでないのは確かですな。
年会費を払った大学の学生だけのようですが、国立科学博物館の入館料が無料になるそうです。
これはとてもいい試みですね。物足りない点があるとはいえ、国立科学博物館規模の博物館を気軽に視て回れるというのは有意義です。こういう試みは積極的に広げてもらいたいなあ。
美術館などでもこのような試みが増えることを望みます。
テリジノサウルスは白亜紀後期に生息した恐竜で、鳥に近縁の恐竜として注目を集めています。
今まで中国から発見されておりアジア起源の恐竜とされていましたが、この発見により生態・起源共に見直しを迫られることになりそうですな。
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