読書録「人間臨終図鑑」

 昨日は凄い勢いで酒飲んで死んでました。飲み会は久しぶりだったなあ。
 さて、本日はbeakerさんにならってこちらを紹介。

人間臨終図巻〈1〉
山田 風太郎

徳間書店 2001-03
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★★★★★


 タイトルに偽り無し。歴史上の人物の死に様をただただ集めた脅威の書物です。文庫で全三冊。  十代で死んだ人々から百代で死んだ人々まで、その死に様は実に多種多様。歴史上に名の残した人物たち限定とはいえ、実際に読んでみると凄まじい量です。  「死」という主題を扱うとおおかれすくなかれ感傷的な面が入り込むものですが、それがない。山田風太郎の姿勢は実に明確で「人間死ねば終り」の一言に尽きます。「もう少し長く生かしておきたかった」と書いている人物もいますが、片手で数えることが出来る程度ですな。  正直この本に関しては四の五の言うのが無駄な気もします。まずは一読すべきです。山風作品の根っこには常に虚無的な何かがありますが、それがかなり見えやすい形で出たのが本書でありましょう。幼少の折から死と向合い、太平洋戦争を生き抜いた世代のみが持つ透徹した目がそこにはあります。

 ところで個人的には、死というのは生命活動と精神活動の完全なる停止という以上の意味を持たないと思います。社会的・文化的な波及効果は勿論ありましょうが、それは社会情勢や環境でいくらでも左右されてしまうものでありましょう。  死という現象は、諸所の要因によって引き起こされるだけであり、死そのもの(・・・・・)は、いかなる意味も所有しますまい。  「死んだらどうなるのか」という問いに関しては「知りようが無いので答え様が無い」という云えないのではないでしょうか。例えれば、映画のフィルムをパチリと切り取ってしまったようなものです。切れた所で映画は終わり。その先に続きがあるのか無いのか、あったとしたらどういうものなのか、答は全て闇の中でありましょう。闇の中にあえて進み答えを手にした人もいるのかもしれませんが、その解を広く認められた形で共有することは我らには不可能であります。

 閑話休題。現行の作家は勿論、日本文芸史上でこんなものを書けるのは山田風太郎しかいないでしょう。おそるべき作品です。必読。

路傍の石が一つ水に落ちる。
無数の足が忙しげに道を通り過ぎてゆく。
映像にすればただ一秒。
――山田風太郎


 付記:上文中の死についての考えは完全な私見であり、信仰や理論を否定する意図は全くないことを記しておきます。

●今日の演説

宇宙世紀演説集

 流石宇宙世紀の方々。どの演説も濃厚この上なし。
 しかしドモンの告白演説が素晴らし過ぎてすべて霞む罠。

●今日のヤンマーニ

ヤンマーニ男ケ・セラ・セラ

 電車男ならぬヤンマーニ男……

●今日の古生物

Whale Found in Egypt Desert

 Basilosaurus isisのほぼ完全な化石がエジプトで発見されたようです。
 全長18メートル、およそ4000万年前のものとのこと。
 噴気孔を頭頂部に持たなかったため、 頭部の前方にある鼻腔を海面に出して呼吸していた模様。
 いわゆるムカシクジラの類ですね。ゼウグロドンが有名です。
 そういえばオゴポコの正体の候補でもあったな、ゼウグロドン。

●今日の小説


紀田順一郎・東雅夫編『日本怪奇小説傑作集』全3巻
(創元推理文庫より2005年7月より隔月配本予定/カバーデザイン=間村俊一)

*小泉八雲、泉鏡花、夏目漱石から澁澤龍彦、皆川博子、高橋克彦まで――近現代の怪談・ホラー史を彩った定番中の定番作品全50篇を厳選、発表年順に収録することにより、日本怪奇小説の変遷と多様な魅力を、読みすすめるにつれ自然に体感できる構成とした。

*本文テクストは新漢字・新仮名を採用したが、文字遣いに関しては、あえて発表当時の形を復元し(「その」→「其の」、「じっと」→「凝乎」)、そのぶんルビを多用している。これにより、作者が意図したとおりの用字用語と発表当時の雰囲気を、現代の読者にも親しみやすい形で味わっていただけるものと信ずる。
*各巻の巻頭に、日本怪奇小説の特色を分かりやすく説いた紀田順一郎による序文を、巻末には、時代的変遷をたどる東雅夫による解説を付した。

 東雅夫の幻妖ブックブログより。
 キタキタキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!! 出版は創元推理文庫、序文が紀田順一郎、解説が東雅夫。まさに隙の無い布陣。
 これは買わねばなるまいて。

●WEB拍手レス

>篠原ですv「傭兵の二千年史」実は持ってます(笑)。昔の装丁ですけどねーw いや、鋭いな。さすがに!

 やっぱ持ってましたか!
 いや、絶対に好きだろうなーとは思ってましたが。
 あれ読むとブレカナやりたくなりますよね。

投稿者: 日時: 2005年04月23日 20:55 Web拍手

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