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![]() | 消滅する言語―人類の知的遺産をいかに守るか デイヴィッド・クリスタル 中央公論新社 2004-11 売り上げランキング : 25,326 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
新書サイズ250ページに索引と参考文献をしっかり添付するその意気や良し。
著者は、今や地球では二週間に一つのペースで言語が消滅していると言います。本書では、この消滅してゆく言語をいかにして守るかを、筋道立てて具体的に論じています。
どれくらい具体的かというと、章立てが
1:言語の死とは何か
2:なぜ放っておいてはいけないのか
3:なぜ言語は死ぬのか
4:どこから始めるべきか
5:何ができるか
となっているほど。タイトルを見れば何について語る章なのか瞭然と解るというのは、良書に共通した特徴ですな。
著者は数字に基づくデータや先行研究を用い、確実に論を進めていきます。豐富な注釈と一次資料にあたる姿勢からは、著者の誠実さが、かいまみえます。
少数言語が今どれほどの危機に瀕しているのか、言語の絶滅を救うためにはどうすれば良いのか、そもそも何故言語が絶滅してはいけないのか。これらについて、明確な形での解答を与えてくれます。本全体の密度は非常に高く、データも豊富。良書です。
各章は【大見出し→小見出し】繰り返し→結論、という形になっており、構成に隙がありません。論旨も明快で、本職の学者が手を抜かず書いたのが良く解ります。
なお、リンク先のレビューを見ても解りますが、翻訳者は著者の論に「毒」があり、「毒を抜き、本書の一番上質な部分を」届けることにしたと言っています。
訳者が主に批判しているのは、
・危機言語を救うためなら、危機言語を有する共同体を説得して言語救済を試みるべきだという著者の姿勢。
・英語―少数言語の二言語併用を望ましいものとしている著者の意見
でありましょう。
前者については言い掛かりとしか思えません。
現地最優先は当然です。しかし、限られた予算と時間で、現地の文化を最大限尊重して、かつ少数言語を存続させようと提唱する著者に対し、「ここに、キリスト教の布教を絶対的な善と信じ、「野蛮人」たちを次々と改宗していった昔の宣教師と同じ態度を見る」と断じるのは明白に行き過ぎです。
次に後者。
確かに、著者は、英語―現地語の二言語併用にこだわりすぎている感はあります。絶滅危機にある現地語を如何にして救うか論じている際に、二言語併用への弁護が脈絡も無く顏を出してしまうような部分があるのも事実です。
ですが、矢張り訳者は批判点を間違っていると思わざるを得ません。
著者は、少数言語を絶滅から救うための方法論として、二言語併用を提唱しています。「絶対にそうしろ!」というような教条として提出しているのではありません。
実際、著者は文中で、二言語併用の危険性を何度となく指摘しています。目的はあくまで少数言語を絶滅から救うことにあるとも言っています。
著者の二言語併用を批判するならば、その方法論のデメリットを指摘し、筋道立てて批判すべきです。
感情的に「英語帝国主義」と断じてしまう訳者の姿勢には疑問を覚えます。
付記すれば、著者の誠実さと学識を鑑みるに、「英語帝国主義」の危険に気付いていないとはとても思えません。
少数言語を救うという活動の意義はまだまだ世間に知られていません。
時間と予算は限られており、有形無形の困難は山積みです。その中で、実行可能かつ一定の効果が期待出来るスタンスを取ろうとすれば、ある程度の極論になるのは不可避なのでしょう。
何にせよ、少数言語について考える人のみならず、知的好奇心旺盛な方には是非読んで貰いたい一冊です。知識が深まるばかりでなく、否應無く色々と考えさせられることになりましょう。
友人だったら、小太刀や日本酒先生は絶対読んでおくべきかと。
このように優れた本が、新書サイズで出版されていることは喜ぶべきでしょうね。
大抵は高いですからねえ、こういう本。辛いところだ。
●今日の色々
残念だ。
しかしこの定食屋は面白すぎますな。今度関西行ったら見てこよう。
>米シカゴのノースウェスタン・メモリアル病院は10日、人体に有害な細菌がコンピューターのキーボードの上で24時間生存することが可能とする研究結果をまとめた。
思った以上に生きてるんだなあ……
徹夜明けで免疫力が下がっている時などは脅威になるかもしれません。SEの方やゲーム開発の方やライターの方など、ご注意を。
●WEB拍手レス
>わーい。 再始動おめでとうございまする。
>再始動おめでとう御座います。これからも頑張ってください。
有難う御座います。今後は出来る範囲で頑張っていきたいと思っております。
見守ってやって下さると幸いです。
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